日本時間2日、メジャーリーグ・ワールドシリーズ第7戦でドジャースが勝利し、球団初の連覇を達成した。MVPに輝いた山本由伸投手、二刀流復活の大谷翔平選手、クローザーとして躍動した佐々木朗希投手。日本人トリオのポストシーズンでの活躍を振り返る。
日本人トリオの躍動
このポストシーズンは記録ラッシュとなった。日本人選手の主な記録をまとめた。
大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手 この記事の写真は7枚大谷選手は、ドジャースがワールドシリーズ進出を決めたブルワーズとの試合で3本のホームランを放ち、ピッチャーとしては先発登板し10奪三振。この2つを同時に達成したのはメジャーリーグで初めてのことだ。
さらに延長18回までもつれる大接戦となったブルージェイズとのワールドシリーズ第3戦では、9打席9出塁で、これはポストシーズン史上初のことだ。
山本投手は、ワールドシリーズMVPに輝いたことに加えて、ワールドシリーズで3勝を挙げたのはメジャーのレジェンド、ランディ・ジョンソンさん以来、24年ぶりの大記録となっている。
さらに佐々木投手は、シーズン終盤に先発からリリーフに転向したが、ポストシーズンで3つのセーブを記録した。実はメジャーリーグのキャリア3セーブすべてをポストシーズンで記録したのは、佐々木投手が史上初だ。
経済効果にも大きく影響?
MLB日本人トリオの経済効果日本人選手による経済効果もすごいことになっている。メジャーリーグ全体の収益にも大きく貢献しているという。
アメリカの経済誌「フォーブス」によると、メジャーリーグ30チームのスポンサー収入の合計が今年初めて20億ドル、日本円にしておよそ3041億円を突破し、これにはドジャースの貢献が大きく寄与したと報じている。
記事によるとドジャースは、年間スポンサー収入が2億ドル、およそ300億円に到達する見込みだという。
現在ドジャースは76社のスポンサーを抱えているが、うち20社が日本企業だといい「これは大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希を獲得したことによるリターンだ」と、3人の日本人選手の影響が大きかったことを強調している。
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大谷選手も「世界一の投手」と称賛した山本投手だが、この活躍の背景には、独特のトレーニング方法があるといわれている。
独特のトレーニング方法その一つが「ブリッジ」だ。山本投手は、ウェイトトレーニングは一切しないそうだが、ブリッジなど何種類もの柔軟体操に近い運動を続けてきたといい、これは体を効率よく連動させるトレーニングだという。
もう一つが“やり投げ”のようなトレーニング法だ。陸上競技のやり投げに使うやりではないが、それに似た棒を投げるトレーニング方法で、肘や肩への負担の少ない投球フォームを身につけるトレーニングだそう。
これらのトレーニングは、周囲から反対されることもあったというが、山本投手は「自分がいいと思ってやっているし、しっかり結果を出す」と今も続けているという。
ポストシーズン 佐々木投手の活躍
そして、このポストシーズンで復活を果たしたのが佐々木投手だ。
ポストシーズンの活躍メジャー1年目で頂点をつかみ取った佐々木投手は、5月にメジャー初勝利を挙げたものの、その後は右肩痛のために負傷者リスト入りした。レギュラーシーズン終盤の9月下旬に、先発投手としてではなく「救援投手」、いわゆるリリーフピッチャーとしてメジャーに復帰した。
ポストシーズンに入ると速球やスプリットを武器に、9試合で3セーブ、防御率0.84をマークした。
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チームを牽引(けんいん)した日本人トリオだが、3人にはそれぞれ、近くで支えてくれた人たちがいた。
ワールドシリーズMVPを支えた功労者ワールドシリーズMVPに輝いた山本投手を支えてきたのが通訳の園田芳大さんだった。
園田さんは、もともとアメリカの映画業界で20年ほど照明技術者として働いていたが、2023年、映画業界で大規模なストライキなどがあった時期に、山本投手が専属通訳を募集していると知って応募。多数の応募者の中から抜擢(ばってき)されたという。
ただ46歳で転職した園田さんは、キャンプ練習後は毎日居残ってメジャー野球の研修を受け、他の日本人通訳の映像なども見て、言い回しを繰り返し勉強するなど努力を続けてきたという。
そんな園田さんはあるゲン担ぎを行っているという。それは山本投手が登板する試合には、ウサギの目からビームが出ているようなイラストが入った“勝負パンツ”を着用すること。
ただ山本投手は第6戦・7戦とまさかの「中0日」の連投に。洗濯が間に合わず、園田さんは勝負パンツを2日連続で着用したという。
“メジャー挑戦”次の日本人選手
ポスティングでメジャー挑戦へ来シーズンもメジャーリーグでの日本人選手の活躍から目が離せない。新たにメジャーリーグへの挑戦を公言している選手がいる。
1日、プロ野球12球団の所属選手がメジャーリーグに移籍する「ポスティングシステム」の申請手続きが始まった。
ヤクルトで2022年に三冠王に輝いた村上宗隆選手と巨人の主砲・岡本和真選手は、互いにセ・リーグのホームラン王を争ってきたライバルでもあるが、ともにこのオフにポスティングシステムを利用することを所属球団から認められていて、メジャーへの挑戦が濃厚になっている。
2年連続ドジャース優勝パレードドジャースは、日本時間4日午前4時にロサンゼルスで、ワールドシリーズ優勝パレードを行うと発表した。こちらも2年連続となる。パレード後には、ドジャースタジアムで優勝セレモニーも行うという。
去年はパレードにおよそ25万人が集まり、優勝セレモニーにはおよそ4万2000人が参加した。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年11月3日放送分より)
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