吉備津神社(岡山市北区)本殿と拝殿の再建600年を記念した「奉祝相撲まつり」が同神社で開かれ、大相撲の玉ノ井部屋の力士が土俵入りや取組を披露した。

 吉備津神社の本殿と拝殿は室町時代の応永32(1425)年に再建され、1952年に国宝に指定された。神社の藤井崇行宮司が節目の祝いを兼ねて相撲の伝統に触れてもらおうと玉ノ井親方(元大関栃東)と親交がある氏子の上原正樹さんに相談。親方が快諾した。

 境内に作った土俵で19日に力士4人が土俵入りを奉納。四股やすり足などの基本動作、力士同士の取組、相撲甚句などを披露した。子どもたちと実際に相撲も取り、部屋自慢のちゃんこ鍋を振る舞った。

「次の横綱だよ」

 上原さんは地元で建設会社「千田組」を経営しており、元社長の父が後援していた元横綱北の富士さんから「これが次の横綱だよ」と紹介されたのが、高卒で入門したばかりだったのちの大関栃東。岡山で後援会をつくり、桃太郎を描いた化粧まわしを贈ったという。

 親方は現役時代から、秋巡業の途中などで始終岡山に立ち寄っていたという。「きょう力士が振りまいた笑顔が記憶に残ってくれるといいな」と話していた。

 玉ノ井太祐(たまのい・だいすけ) 本名志賀太祐。1976年生まれ。東京都足立区出身。明大中野高で高校横綱になり、父の玉ノ井親方(元関脇栃東)に入門して94年九州場所で初土俵。十両昇進時に父の名を継ぎ、2001年、九州場所後に大関に昇進した。優勝3回、殊勲賞3回、敢闘賞2回、技能賞7回受賞。07年に引退、09年に父から部屋を引き継いだ。

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