3年連続の最下位にピリオドを打ったものの、リーグ4位と依然として低迷が続く中日ドラゴンズ。2025年(令和7年)シーズンを終えての秋季キャンプは、ナゴヤ球場と共に、高知市の春野球場でスタートした。(敬称略)
初の黒潮キャンプがスタート
ドラゴンズのキャンプ地は、最近は沖縄県である。春季キャンプは北谷町と読谷村、秋季キャンプも本拠地である名古屋以外では、北谷町で行われることが多い。高知県と言うと、阪神タイガースと埼玉西武ライオンズのキャンプ地イメージだが、長年の低迷を考えると、気分転換になるのかもしれない。
ちなみに、1946年(昭和21年)ドラゴンズが初めてキャンプを行ったのは、どこかご存知だろうか?答は「鹿児島県」。中日ドラゴンズ検定1級の問題として出題された、難問のひとつである。
閑話休題。今回の高知キャンプには、23人の選手が参加している。投手、捕手、内野手、そして外野手と、それぞれのポジション別に注目選手を挙げて、メッセージを送りたい。
投手~待ったなしの仲地と草加
投手では、仲地礼亜と草加勝である。2022年(令和4年)ドラフト1位の仲地礼亜と2023年(令和5年)同じくドラフト1位の草加勝である。大学投手のドラフト1位となれば、当然「即戦力」が期待されたのだが、残念ながら現実はそうなっていない。
仲地はルーキー年に2勝したものの、その後、勝ち星はない。それどころか1軍のマウンドで好投できていない。草加は、入団後に右ひじの違和感を訴えてトミー・ジョン手術を受けた。2025年ペナントレース最終戦で、プロ初登板初先発したものの打ち込まれて、敗戦投手となった。来季、この2人が先発ローテーションに加わることができるか否か、そのための秋である。
後輩の大卒ドラフト1位の金丸夢斗は、侍ジャパンのメンバーにも選ばれ、来季はローテーションの柱だろう。先日のドラフトで1位指名された中西聖輝投手も、大いに期待が高い。仲地も草加も“オフはない”覚悟で、腕を振ってもらいたい。
捕手~石伊は正捕手への道
捕手は、高知キャンプには2人しか参加していない。何と言っても、2年目を迎える石伊雄太である。2025年シーズンは、いよいよ待望の正捕手誕生かと期待させる活躍を見せたルーキー年だった。その座を確かなものにする第一歩が、この秋のキャンプである。キャッチングとスローイングの守備、勝負強さを見せた打撃はもちろんだが、キャッチャーとして大切なリード面、これをとことん磨くため、昼間の練習後も自室で勉強を続けてほしい。24時間の“野球漬け”、石伊にはこれしかない。
内野手~今度こそ期待を裏切るな
1軍の経験が浅いメンバーが多い投手陣と違って、内野手陣には、井上一樹監督が期待したものの、それを裏切ったメンバーが顔を揃えている。福永裕基、村松開人、そして石川昂弥である。本来ならば、この3選手が、新生・井上竜の二、三遊間のスタメンを張っていたはずだった。
けがや打撃不振によって、2軍で暮らす日々が長かった3人。同じ高知キャンプメンバーである田中幹也が、セカンドとして活躍を見せただけに、3人の胸に去来する思いも強いはずである。「レギュラーを獲る」この思いをいかに体現化するか、今さら抱負などは聞きたくない。実行あるのみ、まずは練習の濃密度を見せつけてほしい。
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