スペイン1部リーグ、レアル・ソシエダで活躍する日本のエース・久保建英(24)に元日本代表・柿谷曜一朗(35)が独占インタビュー。
26年のFIFAワールドカップ(6月~7月)まで約7か月と迫る中、“史上最強”と呼ばれる日本代表について、“ジーニアス”と呼ばれた天才・柿谷と、TBSサッカー番組「KICK OFF!J」のスペシャル対談で語り合った。
対談前、柿谷はホテルのベランダでスペインの景色を眺めながら「すごいなー、ここでプレーしているのか。練習した後にちょっとでも来てくれるってことだけでもありがたい」と異国の街並みを見つつ、インタビューを心待ちにしていた。
車で到着した久保は「僕は面識はないんですけど、“日本の天才”みたいなイメージは、“ジーニアス”みたいなイメージは持ってます」と話し、柿谷の待つ場所へ向かった。
久保:(部屋のドアを開け)失礼します。
柿谷:いらっしゃい、いらっしゃい。
柿谷が初めて久保を見たのが初ゴールの時だったという。FC東京のU-23とセレッソのU-23との試合(2017年4月15日、15歳10か月11日のJリーグ史上最年少ゴール)。
柿谷:僕はスタンドで見てて、「なんじゃこいつは」と思ったのが最初の印象で、それがたぶん15歳の時。
久保:はい、15ですね。
柿谷:もちろん名前は知っていたけど、プレーを生で見て、ああ、この子かと(笑)
笑顔をみせた久保は柿谷の印象を語った。
久保:コントロール技術とか、乾(貴士)選手にも同じように思ったことあるんですけど、多分歴代の日本代表で見てもたぶんお二人方はレベルが違うと思うので、そこのタッチのところは。それも僕、自分ができないプレーがすごい好きで、そのサッカーの技術だったりっていうマネできないところはすごく羨ましいなって思うので。
ブラジル戦で歴史的勝利!“史上最強”と呼ばれる日本代表
先日(10月14日)、日本代表は格上ブラジル代表に14戦目の対戦にして初勝利。歴史的快挙を成し遂げた日本代表を世間は“史上最強”と呼ぶ。
柿谷:やっぱこう、メンバーを見てても僕自身も史上最強だなって思います。ただ、言われている本人は、どういう心境なのかなと思って。
久保:どうなんでしょうね。その全体のレベルっていうのは、やっぱり史上最強と言っても差し支えないのかなとは思いますけど、個々の能力でいうと、歴代の日本代表にもすごく突出した方々がたくさんいて、それに僕らは勝っているかといったら、それはやっぱり結果で示さないと何も意味ないと思うので。史上最強にふさわしい戦いができるかっていうのは、ここからみんなで考えていきたいなと思います。
柿谷:期待されることでのプレッシャーとか、そういうのって久保選手は感じるんですか。
久保:僕個人はあんまりプレッシャー、サッカーに関してはプレッシャーを感じることはないんですけど。
柿谷:自信があるからプレッシャーを感じないみたいな話を聞いたことがあるんですけど、そういうことですか?
久保:はい、僕、自信があるものに関してはプレッシャーをあまり感じないんで。サッカーはあまりプレッシャーは感じたことないですね。何かミスしたらどうしようとかあんま考えないんで。
柿谷:逆にサッカー以外で何かプレッシャーというか、そういうのは感じることってあるんですか。
久保:苦手なことは基本、やっぱその...何て言うんですか、自信なくなっちゃうというか。例えば僕、字があんまり綺麗じゃなくて、それとかも嫌なので、最近練習したりとかなんとか克服しようとは頑張ってるんですけど。
柿谷:プレッシャーというよりは、苦手なことを克服したい。
久保:そうですね。苦手なことがあるとやっぱり気にしちゃうんですよね。それは、あんまみんな気にしてないのに。良かったです、サッカーが自信あって(笑)。
「相手を抜くことを考えてない、抜けて当たり前」その後を考える
柿谷:まあでも何といっても、ドリブルっていうのは誰よりも自信があるんじゃないですか。
久保:どうでしょう。確かに今、僕はウイングでプレーすることも多いんですけど、基本的にボールを持ってフリーだったら、最近はあまり相手を抜くことを考えてないので、なんかもう抜けて当たり前だから。その後シュートへ行くのか、じゃあクロスか、シュートにいきたいんですけど、シュート行けなさそうだから、縦抜くかとか。そういう感じで、目の前の相手をどうしようっていうのは、最近あまり思うことがなくなりましたね。
柿谷:(サッカー選手としての)最終目標のところでは、、
久保:やっぱり中央でボールを受けて、3人、4人と交わしていける選手になりたいなと。じゃあバスケットと言ったら華麗なフェイントからのスリーポイントだったり、野球だったらホームランだったりという風に、サッカーは多分一番格好いいのはドリブル独走ゴールが一番格好いいと思うので。テクニックはあると思っているので、あとは(独走ゴールを決めるために)能力のところも底上げしていって、いいプレーが出来るようになればなと思います。
柿谷:見たいなぁ。
久保:頑張ります。
柿谷:日本代表として戦術をもっと極めるのか、やっぱり個をもっと強くするのはどっちが必要だと思いますか。
久保:最後のところを決めるのは、やっぱり個だと思うので、そこがまず一番大事になってくるのかなと。それは森保監督も日頃から最後のところは個が試合を決めるってよく言っているんで。それは理想はメッシが10人いたら...メッシ10人じゃダメだとは思いますけど、極端な話をすると。
柿谷:ダメかな?
久保:どうなんでしょうね。全世界の選手で、11人同じ選手でプレーするとしたら、多分、バルベルデ選手(27、レアル・マドリード)が勝つと思うんですよ。
柿谷:そうなんや(笑)
久保:ああいう選手日本代表にも欲しいなとはすごい思いますので、対戦していて。
7か月後に迫ったW杯に向けて、優勝したら辞められる!?
柿谷:来年のワールドカップ、目指す場所っていうのは。
久保:これを逃すと次4年後になるわけですし、これから先10年後、20年後、30年後って見たらまたチャンスが来るかもしれないですけど、日本代表はみんなが言っているように一番上を目指せるチャンスっていうのを確率では、今回は一番高いんじゃないかなと個人的には思っているので。
やるからにはね、どんなトーナメントでもそうですけど、一番上を目指したいなっていうのは僕の個人的な意見で。あとみんなはっきり優勝という言葉を口にしていますけど、それに恥じないプレーをここからしていければなと、僕含め日本代表のみんな思っていると思います。
柿谷:(プーマの公式動画で)三笘君のちょっと印象的だった言葉があって。堂安君が「ワールドカップ優勝したら辞められる?」みたいにみんなに聞いていて。(三笘選手が)辞められるって。そんなやっぱ思いが強いのかって俺思って、サッカー辞めていいって思うほどの夢なんだと思って、(久保選手は)辞めないでしょう?
久保:辞めないです!すみません(笑)。絶対辞めないんですけど、僕に関しては。
柿谷:むしろその先が楽しみですよね。
久保:一番の夢なんじゃないですか。サッカー選手をやってきて、チャンピオンズリーグもすごいとは思いますけど、やっぱり年に一回、あくまでもヨーロッパっていうのを考えた時に、世界一を決めるのは当然ワールドカップですし、優勝したら辞めてもいいっていう気持ちはすごく分かりますね。日本代表の選手だけじゃなくて、(各国の)代表選手たちも同じようなことを思っているからこそ、多分ワールドカップって面白いと思うので、あとは(優勝の)確率を少しでも上げるために、みんなでたくさん話し合っていけたらいいなと個人的に思っています。
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