タンブリングの日本代表、又吉健斗(またよし・けんと)25歳。タンブリングとは、距離約25mの弾性がある床の上で8つの跳躍技を連続して行う、スピード感とダイナミックさを兼ね備えた競技です。

地元沖縄にも練習施設はありますが、世界選手権を前にした最終調整は埼玉で行いました。沖縄での練習場では広さが足りず、十分な助走距離をとって練習することができないからです。

タンブリング日本代表、又吉健斗選手

「長いの(距離が長い練習場)でやるのは久々。試合以来」

それでも6月の全日本選手権では高難度の演技構成で日本歴代最高得点をマークし、2連覇を達成した又吉。地元沖縄で競技をする意義を感じています。

普段は学童や体操教室などのスタッフとして働く又吉。取材の日はビーチで子どもたちと「ビーチフラッグス」を楽しんでいました。遊びといっても真剣勝負。子どもたちの存在が、競技を続ける原動力です。

傷みと戦いながら競技を続ける

又吉健斗:
「でもやっちゃダメって言われなかったのが救いかもしれないです。どこに行っても無理だよとか、やめた方がいいよって言われるんですけど。こっちに来た時はどうにか頑張りましょうという声かけで、“やっていいんだ” みたいな、前向きになれましたね」

又吉は、世界選手権での引退を決意しています。世界に挑む最後の試合を諦めることはできませんでした。沖縄での最後の練習日も、やはり調子は上がっていません。

でもそんな彼を後押しする存在が… 沖縄での最後の練習を見守ろうと、指導する子どもたちや保護者がこの日大勢駆け付けていました。

着地を決め喜ぶ又吉

世界と戦う自身の姿を子どもたちの力にしてほしいと願い、沖縄で競技を続けてきた又吉。

又吉健斗:
「最後は自分らしく楽しんで、小さい頃から目標にしていた世界一を目指し続けて、最後の最後まで背中を子どもたちに見せていきたい」

いざ、最後の世界選手権の舞台へと旅立ちます。

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