
夏の甲子園で沖縄県勢2度目の全国制覇を果たした沖縄尚学。前回、2010年の甲子園で春夏連覇した興南のエース島袋洋奨さん(32)=現・興南野球部副部長=は、沖縄尚学の優勝をどう見たのか。話を聞いた。
島袋さんはエースとして史上6校目の春夏連覇に貢献した。中央大学を経て、プロ野球福岡ソフトバンクホークスに入団。2019年に引退し、2021年2月から母校でコーチを務める。
興南は今夏の沖縄大会準決勝で沖縄尚学に1―3で敗れた。「手も足も出ず、完敗だった」と振り返る。
この日の決勝は部員らとテレビで観戦した。先制を許すも逆転し、勝った試合内容に「沖尚の良さが全て出た試合だった」と評する。「投手陣は試合をつくり、出た走者を機動力などを駆使して得点圏に進め、確実に点を取る。お手本のような野球だった」と話す。
特に印象深いシーンが九回の守りだ。日大三の最後の打者が放った打球を遊撃手の眞喜志拓斗選手が体で止め、併殺を完成させた場面。「ゴロを体で止めるというのは当たり前のこと。その当たり前を甲子園の舞台でもできるのが沖尚の強さ。派手なプレーはないが全てが堅実だった」とたたえた。
島袋さんは左腕投手として活躍した。同じ左腕の沖尚エース末吉良丞投手については「150キロの直球だけではなく、変化球でもストライクが取れる。特に右打者の内角に制球できるのはすごい。私は投げきれなかった。2年生なのに、マウンドでも落ち着いている」と脱帽する。
今回の優勝について、「県民としてはすごくうれしく、『ありがとう』と『おめでとう』と伝えたい」と話す。
9月20日からは来春の選抜大会の参考となる秋季大会が始まる。島袋さんは「沖尚の野球を手本に、ミスをしないチームをつくりあげていきたい」と誓った。(社会部・滝口信之)
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