大相撲九州場所(福岡国際センター)千秋楽の23日、優勝力士に与えられる内閣総理大臣杯は、高市早苗首相ではなく、代理として井上貴博首相補佐官が授与した。
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高市首相は20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するため、南アフリカに滞在している。
日本相撲協会は「土俵の女人禁制」を守っている。
優勝力士への内閣総理大臣杯の授与は、官房副長官ら政府高官が代理を務めることが多い。ただ小泉純一郎氏や今年初場所の石破茂氏のように、首相本人が渡した例もある。
女性初の首相となった高市氏が授与する意向があるかを今月11日の記者会見で問われた木原稔官房長官は、「現時点で何も決まっていない」としつつ「首相は相撲文化に対し、伝統を大切にしたいという意向を持っている。こうした首相の意向を踏まえ、しかるべき対応を検討する」と述べていた。
「女性と土俵」を巡っては、1990年に海部俊樹内閣で女性初の官房長官となった森山真弓氏が首相の代理として総理杯を渡したいと希望し、協会に拒否された。
2000年には、太田房江大阪府知事(当時)が地元開催の春場所で府知事賞を授与したいと希望。こちらも相撲協会が断っていた。
朝日新聞は、高市氏が自民党総裁に選ばれた後、協会に「高市氏が内閣総理大臣に就任し、総理杯の授与を希望した場合、相撲協会はどう対応するのか」などと質問状を送った。協会は「大相撲の伝統文化を継承していくことが我々の使命だと考えております」と回答していた。
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