女性騎手として国内最多の地方競馬通算1382勝を誇る宮下瞳騎手(48)=名古屋競馬所属=が今月末で引退することが決まり、26日に名古屋競馬場(愛知県弥富市)でセレモニーがあった。ファンの前で宮下騎手は「最後まで楽しく騎乗できました。悔いはありません」と語り、来月から調教師として第二の競馬人生をスタートさせる。

 鹿児島県出身の宮下騎手は1995年、名古屋競馬の騎手だった兄の影響を受け、18歳でデビュー。2005年に通算351勝目を挙げ、女性騎手の通算最多勝記録を更新した。

 結婚後、11年の妊娠を機に騎手免許を返納して引退。2児を出産後、長男から「お母さんが馬に乗っているところを見たい」と背中を押され、16年に再度、騎手免許を取得して現役に復帰した。

 21年には国内の女性騎手として初の通算1千勝を達成。24年には自身として過去最多となる年間116勝をマークした。同年には、模範となる技術や功績を持つ人に贈られる黄綬褒章を女性騎手として初めて受章した。

 今年も前日までに86勝を挙げた。26日の6レースが騎手として最後の騎乗となった。7着に終わったが、ゴール後は観客席に向かって「ありがとうございました」と頭を下げた。

 セレモニーでは、騎手仲間や夫の小山信行さん、2人の息子も駆けつけた。

 宮下騎手は「家族や関係者、ファンのみなさんのおかげで素晴らしい騎手人生を送ることができ感謝しています。これからは騎手を目指している長男の応援をしたい」と笑顔で話した。

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