オリンピックに向けたスノーボードの特集です。ハーフパイプで前回大会は金メダルを獲得した平野歩夢選手(27)と、前回大会を最後に引退したレジェンドのショーン・ホワイトさん(39)。この2人にヒロド歩美キャスターが特別に話を聞くことができました。頂点を極めた2人にはある共通点がありました。
平昌五輪で激闘 北京五輪で悲願
平野歩夢選手が背中を追いかけてきた憧れ この記事の写真は7枚 ヒロドキャスター「ショーンさんと2ショットインタビューって初めてですか?」 平野選手
「いや、全然ないと思います。こうやって『インタビューを隣で』というのは初めて。海外で一緒にご飯とか、何年に1回かはあるんですけど」 ヒロドキャスター
「子どものころの歩夢と初めて会った時のことを覚えていますか?」 ショーンさん
「(歩夢が12歳の時)USオープンだったと思う。みんなが『アユム、アユム』と騒いでいたよ。『誰?あのちっちゃい子か?すごいな!』ってね(笑)」
平野選手が小さいころから背中を追いかけてきた憧れ。ショーンさんはオリンピックで3度、金メダルを手にしたスノーボード界のスーパースターです。
平野歩夢選手平野選手は2018年、平昌オリンピックでそのショーンさんと激闘を見せます。先に平野選手がトップに立ちます。しかし、最後の最後でショーンさんに逆転負け。あと一歩で、その高い壁を超えることはできませんでした。
しかし、前回の北京オリンピック。「トリプルコーク1440」など人類史上最高難度のルーティンを通し、レジェンドを超え、悲願の金メダルを獲得しました。ショーンさんはこの大会を最後に現役を引退しました。
ヒロドキャスター「ショーンさんと戦ってきて、どんなことを学びました?」 平野選手
「憧れの人たちの背中を見て学ぶじゃないですけど、『俺も早くあの位置行きたい』という良いモチベーションに何かつながっていた」 ヒロドキャスター
「常に原動力っていう存在だった?」 平野選手
「そうですね」 2人の共通点とは
一方、レジェンドから見た平野選手とは…。
ヒロドキャスター「スノーボーダーとして平野歩夢の何がすごい?」 ショーンさん
「メンタルの強さだね。彼は練習中に転倒して、ろっ骨を骨折したことがあった。たとえけがが癒えて復帰しても、またやるんじゃないかと弱気になりがちだが、歩夢は練習に復帰して、失敗を重ねつつ挑戦を続ける」 平野選手
「『人と違ったことにチャレンジしたい』という気持ちだったり、『新しいことをやりたい』という共通点が、ショーンとは他の選手よりもすごい強かったのかなとは思っていて」 広告 発展と連覇へ 互いに続ける挑戦
発展と連覇へ 互いに続ける挑戦
新たな国際大会「スノーリーグ」創設2人が大事にしてきたのは「挑戦」の心。互いに異例の挑戦を続けています。
ショーンさんは今年3月、新たな国際大会「スノーリーグ」を創設。賞金総額は破格の2億5000万円です。現役を引退した後も、スノーボード界の発展に挑戦しています。
ショーンさん「このリーグは次世代のためにある。スノーボードには活気が薄れる時期があると思う。だから、五輪と五輪の間の年に選手の調整にも役立つようにスノーリーグを始めた」 地元・新潟県村上市に世界初の施設
一方、平野選手は地元・新潟県村上市に世界初の施設を作りました。ここでは、ハーフパイプの練習が雪がなくても1年中できるのです。
挑戦しているのは、新たな大技の習得。今シーズン、出場した大会すべてで優勝した平野選手ですが、この新技はまだ披露していません。オリンピック本番で、新技を出してくるのでしょうか?
平野選手「上に立つには『新しいアイデア』と『人がやっていないトリック』が絶対的に必要」(15日) ショーンさん
「歩夢はスノーボードを新たな次元に引き上げてくれた。歩夢がスノーボードをどんどん進化させていくのが楽しいよ。僕は歩夢にとても感謝しているんだ。タフなチャレンジ、故障や大クラッシュを乗り越えてきた歩夢のことを、僕たちみんなが応援しているよ」 ショーン・ホワイトさん
その思いも背負い、オリンピックで挑戦するのはショーンさん以来となる「連覇」です。
ヒロドキャスター「歩夢は27歳でミラノ・コルティナ五輪を迎える」 ショーンさん
「パーフェクトタイミング!27歳、最高!(笑)。まだ体は若いけど、経験豊富だから最高だよ」 平野選手
「そう思ってやるしかないなって感じですけど。見ている人に感動や希望になる一つのきっかけを与えられるような滑りを残したい。思い切ってやりたいなと思います」 広告 レジェンドの思い背負い連覇へ
レジェンドの思い背負い連覇へ
憧れからライバルへ平野選手がスノーボードを始めたころ、憧れだったのがショーンさん。当時は憧れだったが、ライバルになった。ステージは変わりましたが、今は支え合っている、高め合っている。そういった継承というものを感じることができました。
大越健介キャスター「継承と言うと、確かにショーン・ホワイトさんというレジェンドがもたらした遺伝子のようなものが各国の選手に引き継がれて、いろんな花が咲いていて。その中でも一番大きな花が、平野歩夢さんなのかもしれません」
ショーンさんの思いを背負って連覇なるか、注目です。
(「報道ステーション」2025年12月18日放送分より)
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