23日にカナダから戻ってきたばかりのカーリング日本代表のフォルティウス。「より強くなった」と話す彼女たちに松岡修造さんが話を聞きました。
「今までは何だったんだろう」全員が決めた覚悟
23日午後9時ごろ、フォルティウスがインタビューに応じてくれました。
松岡さん「オリンピック出場おめでとうございます」
「15年前取材している、高校生の時に。どんな感じですか?」 吉村紗也香選手 この記事の写真は6枚 スキップ 吉村紗也香選手(33)
「『やっと』つかみました」
今月、初のオリンピックを決めたフォルティウス。その歩みは絶望からつかみ取った奇跡でした。
高校時代の吉村選手吉村選手との出会いは15年前。ジュニアのころから将来を期待されていました。チームに加入したのは2014年、ソチオリンピックの直後。その後はオリンピックに挑戦するたび、あと一歩が届かず悔し涙を流してきました。当時の心境は…。
「北京オリンピックの出場がかなわなかったら、引退しようかなと思っていた」それでも、オリンピックという夢はどうしても諦められませんでした。
ウェアの企業名を隠し練習していた時期もただ、現実は支援するスポンサーも離れ、ウェアの企業名を隠し練習していた時期もありました。妊娠を機にチームを離れたこともありました。
小谷優奈選手不在の間はセカンドの小谷優奈選手(27)が司令塔のスキップへ転向。総力戦で目指すオリンピックでした。
松岡さん「何かのきっかけというか、チームの思いが変わったとか。そこらへんどうでしょうか」 吉村選手
「出産を経験して外から見たことで、私がいない時には4人で、皆でつないで頑張ってくれていて。それぞれの成長もすごく見えていて。でも、自分が戻るとなると、簡単には自分は戻れない。覚悟を持ちながらやってたかなと思います」 サード 小野寺佳歩選手(34)
「吉村がいなかった時もチームを存続させないといけなかったので、1年間、成長する機会をいただいて私たちも頑張ってきてたので、それ以上に吉村も頑張らないといけないと思っていたと思うし。でも、出産して戻ってきて、2段階くらい上がったというか、うまくなって帰ってきたなと」 吉村選手
「今までは何だったんだろうっていう」 小野寺選手
「一皮もふた皮もむけた感じで戻ってきたので、これはもういけるなって」 吉村選手
「覚悟という意味ではやっぱり、強いものがあったかなと思います」 松岡さん
「吉村さんを見ていて、何が変わったなと思いますか?」 小谷選手
「信念だったりとか、心の強さ。オリンピックに絶対行きたいっていう気持ちは一番持っているなと思って。それにチームもすごく影響を受けて。それにどんどん、引っ張ってもらって、どんどん進んでいる状態。オリンピックの金メダルに対する執念、気持ちは年々、日々強くなってるなと思っていた」 広告 「ロコ・ソラーレが強かった」が…
「ロコ・ソラーレが強かった」が…
松岡さん「失礼ですが、ぎりぎりで負けていたチーム。ぎりぎりで勝つチームになった。何が大きく違うと思いますか?」 変化した点 リード 近江谷杏菜選手(36)
「ここ1年、特に感じるのは信じること。心の底からできている。自分もチームメートも結果も出ると信じると決めたルールを徹底してきたのが大きい」 松岡さん
「信じるとは、結果が出ないと信じられないもの」 近江谷選手
「氷の上でプレーしている4人だけではなく、たくさんの人を含めてものすごくいい、世界一のチームができている。自分たちが信じる力が揺らいでも、周りが信じてくれる。お互いに後押ししながら、進んできているのが一番強い」 フィフス 小林未奈選手(23)
「5人いることは1人出ないということ。それでも常に私が出てやるぞという気持ちで、チームの底上げができたらという思いで」 松岡さん
「フォルティウスが持っているこの執念とは?」 小野寺選手
「4年前は今よりもロコ・ソラーレが強かった。私たちも頑張ってはいたが、どこまでできるか正直分からない状態での代表決定戦だった」 広告 フォルティウスの変化「一人で悩まず」
フォルティウスの変化「一人で悩まず」
4年前の代表決定戦。ロコ・ソラーレに2連勝でスタートも、そこから3連敗。ただ、今回、世界最終予選の代表決定戦では、予選では2連敗するも、そこから3連勝しました。
吉村選手「4年前と比べると、メンタルが皆強くなった。今回も2連敗からスタートでも絶対勝てるという自信はあった。あとは一つずつショットをつないで、皆を信じて。結果が出ると信じてプレーしていた」
そして、最後の世界最終予選では、快進撃でオリンピックを決めました。
吉村選手「すごくうれしい。うれしい気持ち。うれしすぎた」
この大会で解説を務めた、元ロコ・ソラーレで北京オリンピック銀メダルの石崎琴美さんもフォルティウスの変化を感じていました。
元ロコ・ソラーレ 石崎琴美さん 「吉村さんが一人で抱え込む表情がなくなった。セカンドの小谷さんを迷ったら呼ぶ。チームメートの意見を求める回数が増えた。コミュニケーションを取ることで、一人で悩まず口に出すように」 松岡さん「オリンピックへの思いは?」 吉村選手
「自分たちが今、オリンピック金メダルに向かって、この4年間をかけて、皆でそこを目指してきてやっていて。そこを達成することで、それこそ日本のカーリングの今後の未来というところも変わってくると思っている。皆でショットをつないで、金メダルに向けて頑張っていきたいなと思っています」 広告 「覚悟と執念」の五輪へ
「覚悟と執念」の五輪へ
小木逸平アナウンサー「フォルティウスはなぜ、今まで越えられなかった壁を越えられたのか。技術というよりは全員の気持ちの面ということなのでしょうか」 松岡さん
「メンタルが大きかったと思います。フォルティウス、僕はすごいなって思ったのは、4年前は2勝していたにもかかわらず、ロコ・ソラーレには勝てなかった。それは今年は逆の状況で2敗しているにもかかわらず、勝てるという思いがあった。このすごさは、覚悟とか執念とか、自信の積み重ねだと思います。ロコ・ソラーレがオリンピックで積み重ねてきた執念や覚悟。それを受け継いでいくフォルティウスだと思います」 大越健介キャスター
「フォルティウスというチームには一人ひとり物語があります。その物語がさらにカーリングに対する魅力を高めているし、我々の注目度も上がっています」
(「報道ステーション」2025年12月23日放送分より)
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