(25日、バスケットボール・ウインターカップ女子3回戦 桜花学園81―78福井工大福井)

 創部2年目でウインターカップ初出場の福井工大福井が、鮮烈な爪痕を残した。優勝24回の強豪、桜花学園(愛知)を、最後まで追い詰めた。

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 第4クオーター、福井工大福井の主将、小池昌鈴(まりん)(2年)はゴール下でボールを競り合った。うまく着地できず、背中からコートにたたきつけられた。

 相手も仲間も駆け寄ってきたとき、小池は思った。

 「ここで折れていられない。何回転んでも、立ち上がろう」

 フル出場で走り続けた足は限界に近かったが、再び気力が沸いてきた。

 福井県立足羽高を全国の舞台に押し上げ、年代別の代表チームを率いたこともある林慎一郎氏が昨年コーチに就任。林コーチの掲げる「走るバスケ」に共鳴して、小池は新潟から入学した。3年生のいない「下級生チーム」をリーダーとして引っ張る。

 試合前、林コーチから「(相手が)夏の王者だからって同じ高校生。楽しもう」と声をかけられた。「桜花学園さんの方がレベルが上。自分たちはチャレンジャー」。そう自らに言い聞かせると、コートに立った時は吹っ切れていた。170センチの体格を生かしたドライブで、得点は両チーム最多の36を数えた。

 強豪を脅かした積極性と献身性に、林コーチは「やっと主将らしくなってきた。僕が要求している水準に少しずつ達してきたかな」と褒めた。

 最終盤には同点を狙う3点シュートを放ったが、リングにはじかれた。それでも小池は、すぐに気持ちを切り替えていた。「色んな課題が見つかった。この試合が財産になった」。集大成の1年間が、始まる。

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