第105回全国高校ラグビー大会は27日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で開幕し、1回戦10試合があった。例年より5校多い56校が出場。優勝経験校同士の対決は、常翔学園(大阪第2)が41―29で茗渓学園(茨城)を破った。前回準優勝で、大会では初めてノーシードとなった東海大大阪仰星(大阪第1)は、大会歴代3位タイの137点を奪い、坂出第一(香川)に大勝。競技人口減少により、予選なしで代表となった石見智翠館(島根)は早稲田実(東京第2)に敗れた。
28日は1回戦の残り14試合が予定されている。決勝は2026年1月7日。
- 予選なしで代表に 1勝で全国切符 高校ラグビーが迎えた曲がり角
常翔学園―茗渓学園 1回戦屈指の好カード
スピードを生かした展開力が売りの茗渓学園に対し、常翔学園はパワーを駆使する。接点の攻防を制し、試合を優位に進めた。
躍動したのが、ナンバー8の山本智輝(2年)。「絶対に前に出て当たり勝つと練習から言われていた。ボールキャリーなら、だれにも負けない」。後半6分はラックから出たボールを右中間にねじ込みトライ。さらに11分は密集から自らボールを持ち出して、左中間にトライを決めた。
前身の大工大高時代の第68回大会決勝(1989年)の相手が茗渓学園。しかし、昭和天皇崩御に伴って中止、両校優勝となり、幻の決勝になった。
白木監督は「自分はまだ1歳だったので当事者ではないが、伝統として先輩から語り継がれている出来事」。山本は「歴史は入部の時から知っている。『絶対負けるな』という先輩方の気持ちも込めてプレーした」と振り返った。
次戦は、大会3連覇をねらう桐蔭学園(神奈川第1)が相手。春の選抜で対戦して敗れたが、33―46と接戦だった。雪辱へ「きょう、いいゲームができたのでもう一戦。前に出る姿勢で負けないようにしたい」。181センチ、105キロながら、「好きなものはミカン」という2年生は、すでに先を見すえている。
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