
第105回全国高校ラグビー大会第2日は28日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で1回戦14試合があった。全国最多の73回目出場となる秋田工は22―11で31大会ぶり出場の専大松戸(千葉第2)を下した。5大会ぶり出場の関西学院(兵庫)は快勝。流通経大柏(千葉第1)は43―3で初出場の名古屋(愛知第2)を退けた。2回戦16試合は30日に予定されており、3連覇を狙う桐蔭学園(神奈川第1)などシード8校が登場する。
- 予選なしで代表に 1勝で全国切符 高校ラグビーが迎えた曲がり角

聖光学院、花園初勝利 1点差逃げ切る
2大会連続3回目出場の聖光学院が、チーム初、福島県勢としても7大会ぶりの勝利をつかんだ。
先に2トライを奪ったが、主将の遠藤慧史(2年)は、「守りに入った」。後半29分にトライを許し、18―17と1点差まで追い上げられた。
しかし、相手のトライ後のキックが外れてノーサイドの笛が鳴る。「2年生が中心なので、まとまりがなかったが、『歴史をつくろう』という目標の中で結果をつかめた」と遠藤。前回大会は京都工学院に0―112の大敗を喫していただけに、うれし涙を流す選手もいた。
聖光学院は、ラグビー部の強化を始めたばかりで、この日のベンチ入りした25人はすべて1、2年生。トップリーグ(現リーグワン)のキャノンイーグルス(現横浜キャノンイーグルス)などでプレーし、日本代表の経験もある宇佐美和彦監督が「公募」で2年前に学校に赴任したことがきっかけだった。
「学校側は『こんな人が来ると思ってなかった』という感じで。私が来たからラグビー部を強化しようかという流れになった」と宇佐美監督。
ただ、部員には温度差があった。現在の3年生を中心に、力不足を感じて引き留めても部を去っていく部員もいた。
残った3年生は1人。その1人がこの日は体調不良でベンチに入っていなかった。宇佐美監督は、「きょうは試合展開で若さも出たが、あさって(30日)、また試合ができるのが何より」と語った。

31大会ぶり出場の専大松戸に伝統校の壁
74回大会以来の出場となった専大松戸(千葉第2)は善戦及ばず初戦で敗れた。
伝統校の秋田工に対し、前半は互角の展開を見せる。3―5で迎えた22分にトライを奪って逆転。主将の鈴木翔太(3年)は、「スペースを見つけて外に展開し取り切る、練習通りの形ができた」と振り返る。
しかし、後半に入ると、相手FWの重圧に押される場面が目立つようになる。7、10分に選択したPGを連続で外したことも痛かった。
小坂正明監督は、「外したPG2本は、相手は守りが堅いので、点差の開かないゲームになると踏んでの判断だった。全国の壁が高かった」と語った。
この日は花園に大勢のOBが集まり、「専松がんばれ」と緑の旗やうちわを手に応援した。鈴木は「力をもらえたし、ずっと花園に行けなかった人の分までがんばろうとやってきた。勝ち進みたかった」と言葉を詰まらせた。






鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。