バレーボールの全日本高校選手権は11日、東京体育館で決勝があり、女子は金蘭会(大阪)が就実(岡山)に快勝し、7大会ぶり4度目の優勝で、高校総体との2冠を達成した。男子は国民スポーツ大会準優勝の東山(京都)が清風(大阪)を破り、6大会ぶり2度目の頂点に立った。

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東山、2年生エースの岩田が最優秀選手賞

 「春高」の頂点まであと1点。東山は、2年生エースの岩田怜緯(れい)にトスを託した。

 一度はブロックにつかまった。もう一度。相手の反撃を、仲間たちが体を投げ出して拾う。トスが再び、岩田の頭上へ。

 「最後は自分が決めきる」。両チームトップの最高到達点340センチの高さから、バックアタックが放たれた。コートに突き刺さると、選手たちは喜びのあまりその場で倒れ込んだ。

 春高を経験した選手はいない。過去2大会は京都府予選で敗退した。昨春、高橋藍(サントリー)を擁して初優勝した第72回大会当時に指導していた豊田充浩監督が復帰した。監督はチームの弱みを厳しく指摘した。

 「伝統のつなぎをもう一回再構築しないと、日本一はない」。チームは岩田の攻撃力に頼らず、守備に重きを置いた。ブロックなしでスパイクを直接レシーブする練習を繰り返した。

 大会の最優秀選手賞に輝いた岩田は「仲間がつないでくれたおかげ」。エースを信じ、粘り強くつなぐ。東山の1年間が凝縮されたラストプレーだった。

清風、初優勝ならず

 清風は初優勝に届かなかった。前夜の準決勝で駿台学園と激闘を演じ、選手たちが就寝したのは日をまたいでから。第3セット以降は疲労の影響もあり、ミスが目立った。主力の大半を下級生が占めるチーム。前日に左ふくらはぎを肉離れしながら決勝に出場した1年生エースの西村海司は「日本一になるために、決勝に戻ってこられるよう頑張ります」と誓った。

女子Vの金蘭会、「つなぐ」を支えたマネジャー

 金蘭会は劣勢の場面でも、慌てなかった。

 第3セットは21―24とセットポイントを握られた。主将の馬場柚希は「まだいける」と声をかけた。相手の強打をブロックで触り、後衛がレシーブする。「落ち着いて、自分たちのつなぐバレーができた」と馬場。ジュースに持ち込み、逆転で勝負を決めた。

 「つなぐ」を掲げるチームを影で支えたのが、マネジャーの松田七海だ。主力のミドルブロッカーだった3年生は、昨年6月に右ひざを負傷。サポート役に転向した。

 大会前にブロックとレシーブの連係が合わない課題が見つかると、ミーティングに加わり、ブロッカーの位置取りに修正を施した。「1回のブロックで止められなくてもタッチを取れば、自分たちの攻撃ができる。しつこく跳ぶように声をかけた」。大会中もコートサイドから助言。チームはブロックを強みに高校総体との2冠を果たした。

 馬場は「(松田に)金メダルをかけるねと言っていた。約束を果たすことができてよかった」。試合後は2人で抱き合い、涙した。

準優勝の就実、「最後は負けたけど」

 就実はジュースにもつれ込んだ第2、3セットを、いずれも落とした。比留間は「やりきったつもりですけど、足りなかった」。新チームが発足した当初、絶対的エースだった福村(現大阪M)が昨春に卒業した穴は大きかった。今大会はメンバー18人中4人しかいない比留間ら3年生が、積極的なプレーでチームを引っ張った。西畑監督は「最後は負けたけど、総合的に見れば上出来です」。

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