沖縄県内各地で盛り上がりを見せるプロ野球の春季キャンプ。13日からロッテ(1軍)が、14日からは巨人と広島がそれぞれ県内でキャンプインし、さらに多くのファンが訪れることが予想される。選手とファンの距離が近いため、お目当ての選手からサインをもらう光景はキャンプの風物詩だ。ただ、ネット上では選手のサインが複数転売されており、球団は「転売禁止」の張り紙を掲示するなど対応に苦慮している。(社会部・滝口信之)

阪神のキャンプ地に張り出された「サイン転売禁止」の張り紙=9日、沖縄県宜野座村
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  •  「東北楽天ゴールデンイーグルス 前田健太 直筆サインボール 1万円」
  •  「横浜DeNAベイスターズ 牧秀悟 直筆サインユニホーム キャンプ限定 4万円」
  •  「阪神タイガース 立石正広 直筆サインユニホーム キャンプ限定 ドラフト1位 4万5千円」
フリーマーケットアプリ「メルカリ」ではキャンプ地で選手が書いたとみられるサイン入りユニホームなどが高額転売されている

 フリーマーケットアプリ「メルカリ」では、米大リーグから今季、日本プロ野球に復帰した楽天の前田健太選手や、3月に開幕するWBCで活躍が期待されるDeNAの牧秀悟選手、さらには球団史上初の連覇を目指す阪神のドラフト1位立石正広選手らのサインが高額で転売されている。

◆距離が近いキャンプ 1時間以上応じる選手も

 いずれの出品も沖縄県内のキャンプ地で本人が書いたサインとみられる。複数球団の選手のサインを販売しているアカウントも確認でき、実際に3万円を超えるサイン入りユニホームに買い手がついた品もある。

 キャンプはシーズン中と異なり、選手とファンの距離が近い。そのため、選手も練習の合間を縫い、ファンにサインを書いたり、写真撮影に応じたりする。練習後に1時間以上、ファンのサインに応じる選手もいる。

◆キャンプ地で目撃した女性が語る転売ヤー親子

 だが近年、転売目的にサインを集め、フリマアプリで転売する「転売ヤー」の存在があちこちで確認されている。

 ある球団のファンの20代女性は、今年のキャンプ期間中に「転売ヤー」とみられる親子が選手からサインをもらっている場面に遭遇した。子どもがもらったサイン色紙を道に落とした瞬間、母親らしき女性が「汚れたら売れないじゃん」としかっていた。目撃した女性は発言を聞いて、転売ヤーだと気付いたという。「転売ヤーの存在は知っていたけど、こんな身近にいるとは」と驚きを隠さない。「転売対策として選手がサインを書かなくなるのが一番悲しい」

 選手たちは子どもを優先してサインを書くことが多い。子ども専用でサインをもらえるスペースをつくる球団もある。

 50代の男性は「子どもを使って選手のサインを集め、転売しているとしたら、選手の善意をむげにする行為。許すことができない」と憤った。

 メルカリには、サインをしている選手の写真を同封する場合は千円追加を求めるものもある。

◆阪神は「転売禁止」の張り紙で対応

 球団も対応に苦慮している。宜野座村とうるま市でキャンプに励む昨季のセ・リーグ覇者阪神は、球場内の柵などに「サイン転売禁止」の張り紙をキャンプイン後の2月7日に設置。「選手が気持ち良くサインできるようご協力を」と求める。球団の担当者は「高額転売の事実を確認したため、注意喚起で掲示した」と説明している。

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