高校ラグビー、春の日本一を争う選抜大会もいよいよ大詰め。3月28日には、ベスト4進出をかけて実力校が激突しました。
佐賀工vs国学院栃木 4年連続の顔合わせ…強み発揮して因縁の相手を下す
第1試合は、ともに2回戦で近畿の強豪校に快勝した国学院栃木と佐賀工の対戦。4年連続の顔合わせとなった両校の対決は、予想どおり白熱の展開となります。
序盤、押し気味に試合を進めたのは国学院栃木。持ち味のグラウンドを広く使いながらテンポよくボールを動かしていくラグビーで、佐賀工陣内深くまで攻め込んでいきます。しかし、佐賀工の規律の取れた、ここぞという時にはしっかりと前に出るディフェンスの前に、なかなか得点につなげることができません。
逆に佐賀工は前半10分、はじめて敵陣深くまで攻め込んだチャンスをものにします。トライラインまで6m付近のラインアウトからモールをつくると、FW陣の力強い動きから最後はLO本田隆成選手がトライ。ゴールも決めて7点をリードします。
さらに佐賀工は19分、自陣の深い位置から国学院栃木のミスをついて一気に攻め込むと、WTB岡田拓選手が快足を飛ばしてゴール中央にトライ。ゴールも決めて14対0とリードをひろげました。
大半の時間で主導権を握りながら、思わぬ形で失点が重なった国学院栃木。それでも慌てず反撃します。再びテンポよくボールを動かしながら佐賀工陣内に侵入していくと、WTB森尾賢人選手が巧みなランニングで一気にトライラインに迫ります。最後は森尾選手のキックが佐賀工の選手に当たって、浮いたところをキャッチしたFB白谷怜大選手がトライ。ゴールも決めて14対7。ようやくチャンスをものにして7点差に詰め寄りました。
しかし、追い上げたのも束の間、得点直後の時間帯で手痛いミスが出ます。自陣のラインアウトでコンビネーションが乱れ、絶好の位置で相手ボールスクラムのチャンスを与えてしまいます。
このチャンスに佐賀工は、スクラムでプレッシャーをかけて国学院栃木の反則を誘発。キックで敵陣深くまで攻め込みました。そしてラインアウトからのモールを一気に押し込んでPR川村瑠樹亜選手がトライ。自分たちの強みを発揮して確実に得点につなげました。
佐賀工にとっては、相手を突き放すだけでなく、自分たちの戦い方に手ごたえ感じさせる貴重な追加点。この得点が佐賀工を勢いづけました。前半終了間際にPGで3点こそ許しますが、後半開始直後の2分には、再び国学院栃木を突き放します。
ディフェンスで鋭いプレッシャーをかけて国学院栃木のペナルティーを誘うと、キックで敵陣深くまで攻め込んだ後に、ラインアウトからのモールを勢いよく押し込んでNO8高山昊大選手がトライ。ゴールも決めて26対10とさらにリードをひろげました。
こうなると佐賀工の勢いは止まりません。得点を急いで、どうしても直線的になる国学院栃木の攻撃を冷静な懐の深いディフェンスでしのぎ切ると、後半15分にはトライラインまで10m以上あるラインアウトからモールをつくって、じわりじわりと押し込んでいきます。最後はLO北村賢斗選手がトライ、FB座本歩人選手が確実にゴールも決めて、33対10。逆転には4チャンス以上が必要な得点差にひろげて、勝負の行方を決定づけました。
残り時間は約15分。国学院栃木も最後まであきらめずに懸命の反撃を見せますが、実力校相手に23点差はあまりにも大きすぎました。スピード抜群の攻撃で2トライを返したものの反撃もここまで。自分たちの強みを発揮して、確実に得点を重ねた佐賀工が33対24で、4年連続の対決となった因縁の相手・国学院栃木を下してベスト4進出です。
東海大大阪仰星vs大阪対決 最後の最後まで目が離せない「大阪対決」
準々決勝第4試合は、この大会で2年ぶりの優勝を狙う大阪桐蔭と東海大大阪仰星の大阪勢同士の対戦。近畿大会でも大熱戦を演じた両チーム。この試合も最後の最後まで目が離せない緊迫した展開となりました。
両チームが慎重にエリアを取り合う中、試合が動いたのは前半9分。東海大大阪仰星は、この試合はじめて敵陣22mライン付近まで攻め込むと、持ち味の素早くボールを動かしていく展開から一気にトライラインまで迫ります。最後は、FL米谷翔馬選手がタックルに来た選手を引きずりながら中央にトライ。ゴールも決めて7点をリードします。1年生の時から名門校のレギュラーを務める米谷選手。近畿大会では欠場していたエースが抜群の突破力を見せました。
一方、先制を許した大阪桐蔭もすぐさま反撃します。直後のキックオフから敵陣深くまで侵入していくと、ここぞとばかりに全員が集中してラインアウトからしっかりとしたモールをつくり、じわりと押し込んでいきます。最後は右に大きく展開してFB吉川大惺選手が右隅にトライ。角度のあるコンバージョンキックを吉川選手が見事に決めて7対7の同点に追いつきました。
その後は、まさにがっぷり四つの展開。両チームが上手くプレッシャーをかけて、お互いの強みを消しあう中、あっという間に時間が過ぎていきます。
そのまま前半終了かと思われた30分、東海大大阪仰星にビッグチャンスが訪れます。大阪桐蔭のペナルティーで敵陣22mライン付近まで攻め込むと、モールをつくって大阪桐蔭のトライエリアに迫ります。モールがくずれた後も勝ち越しを狙って攻める東海大大阪仰星とトライラインを背にしのぐ大阪桐蔭。両チームの意地と意地がぶつかり合う攻防が2分以上も続きます。
ブレイクダウンで圧力をかけて東海大大阪仰星の早い展開を許さずFW勝負に持ち込む大阪桐蔭。そこにあえてFWで挑む東海大大仰星。両チームが激しく体をぶつけ合う中で、最後は東海大大阪仰星の推進力が勝りました。中央へのトライで14対7。大阪桐蔭の厚い壁を打ち破って7点をリードして前半を折り返します。
それでも、ワンチャンスで追いつく7点差。サイドの変わった後半に先にチャンスをつかんだのは大阪桐蔭でした。後半3分、東海大大阪仰星のキックミスでトライラインまで5mと絶好の位置でマイボールクラムのチャンスをつくります。
得意のスクラムを押し込んだ後の展開からトライを狙う大阪桐蔭。しかし東海大大阪仰星には頼もしいエースが復帰していました。米谷選手が値千金のスティールで大阪桐蔭の反則を誘ってピンチを脱出します。
大阪桐蔭は、後半18分にもトライラインまで5mと絶好の位置でマイボールスクラムのチャンスをつくりますが、今度は得意のスクラムが崩れてペナルティー。たびたびチャンスをつくりながら、どうしても得点につなげることができません。
その後は東海大大阪仰星が落ち着いて敵陣で試合を進めて、ついにノーサイド。攻守の要、米谷翔馬選手が復帰した東海大大阪仰星が見事に近畿大会の雪辱を果たして、同じ大阪のライバル・大阪桐蔭を撃破。14対7で勝利してベスト4進出を果たしました。
桐蔭学園vs京都工学院 王者の底力を発揮し10大会連続のベスト4
準々決勝の残り2試合、第2試合では桐蔭学園が王者の底力を発揮して京都工学院につけ入るスキを与えませんでした。
前半9分に先制のトライを奪うと、その後も着実に得点を重ねて合計5トライ。京都工学院を無得点に抑えて36対0で快勝しました。
桐蔭学園は、コロナの影響で中止となった21回大会を除くと、第17回大会から10大会連続のベスト4進出です。
東福岡vs大分東明 爆発的な攻撃力で圧倒!
もう1試合、東福岡と大分東明の九州勢対決は、九州大会同様に東福岡が爆発的な攻撃力で大分東明を圧倒しました。
開始3分にモールを押し込んでHO米田来海選手が先制のトライを奪うと、前半だけで5トライ。後半にも3つのトライを加えて57対28で大勝しました。
選手ひとりひとりが強さと判断力の確かさを見せた東福岡。22回大会以来の5大会ぶりの優勝に向けて一歩前進です。
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