東京 八王子市で行われた全日本シニア選手権には、来月インドネシアで開催される世界選手権の日本代表メンバーなどが出場しました。

このうち男子個人総合では、東京オリンピックで2つの金メダルを獲得し、世界選手権の男子個人総合で3連覇を目指す橋本選手や、去年のパリオリンピックの個人総合と種目別の鉄棒、それに団体で3冠を成し遂げ、世界選手権は初出場となる岡慎之助選手などが臨みました。

橋本選手は得意としている1種目目の「跳馬」で、高難度の「ロペス」の着地でやや乱れ、14.566をマークしました。

また「体力との勝負」とポイントに挙げていた5種目目の「あん馬」では、持ち味のダイナミックな旋回を見せたものの、技の出来栄えを示す「Eスコア」が伸びず、13.866にとどまりました。

橋本選手は合計84.298で2位となりましたが、世界選手権を前に課題を残しました。

優勝は85.466をマークした川上翔平選手でした。

一方、岡選手は4種目目の「鉄棒」の直前の練習で落下しました。

マットにしばらく横たわったあとゆっくりと起き上がりましたが、腰を痛めて途中で棄権しました。

また、女子個人総合では、世界選手権代表の杉原愛子選手などが出場し、2位と1.735の差をつける合計55.433のスコアで優勝を果たしました。

橋本大輝「反省点が残る試合」

橋本選手は「すべての種目において、着地で動いてしまったのは反省点だ。世界選手権では着地が乱れると簡単に離されてしまう。体の動きがいい分、しっかりコントロールしたい」と反省を口にしました。

そのうえで「優勝を逃してしまったので、内容に関しても反省点が残る試合だった。世界選手権前にこうした悔しい気持ちと、もう一度しっかり修正したいという気持ちができたので、とにかくけがなく終わることができてよかった」と話していました。

岡慎之助 練習で落下し途中棄権 病院で検査へ

パリオリンピックで3つの金メダルを獲得した岡慎之助選手は、4種目目の鉄棒の直前の練習で落下した際に腰を痛めて途中で棄権しました。

岡選手が所属する徳洲会体操クラブの米田功監督は「腰をかなり強く打っていて、鉄棒から落ちた当初は動くことができなかった。あさって病院で検査を受けることになる。何もなければいいが、少なくともしばらくは、練習は微妙かもしれない」と話しました。

また、日本体操協会の村田憲亮 男子強化本部長は「バーから手が滑って地面に強くたたきつけられたように見えた。かなり強く打っていたので、腰への衝撃は相当だったのではないか。病院で検査を受けると聞いているが、何もないことを祈るしかない」と話していました。

そのうえで、岡選手が来月、インドネシアで開かれる世界選手権の個人総合の代表に選ばれていることについては「検査結果と本人の状態しだいだが、来月下旬から国内で実施する大会直前の強化合宿での判断になると思う。無理をさせることはできないので、慎重に判断したい」と説明していました。

女子個人総合で優勝 杉原愛子「本番でも自分の演技に集中」

女子個人総合で優勝した杉原愛子選手は「4種目とも大きなミスなく終えられてよかった。跳馬は着地までまとめて、出来栄えもかなり評価してもらえて自信になった。段違い平行棒では、新しく取り入れた技を成功できた。一方、出来栄えの部分で得点が低かったので、そこは課題だと思う」と振り返りました。

世界選手権に向けては「この時期に試合の緊張感を味わえてよかった。4種目で55点台を得られたので本番につながる。本番でも自分の演技に集中してやりたい」と意気込みを話していました。

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