全米オープン車いすの部(日本時間7日)で優勝し、“生涯ゴールデンスラム”を達成した小田凱人(19、東海理化)が9日、帰国会見を行い喜びを語った。
空港では全米オープン優勝カップを手に凱旋、集まったファンからは「小田選手、おめでとう」と声をかけられ笑顔で応えていた。
そして、会見の最初の挨拶では「虹は雨の後でしか見れません。雨の中でも見れません。全てが過ぎ去った後に虹は見れます。僕は自分のことを信じられなくなったことは一度もありません。僕は自分を愛せなくなったことは一番もありません。だから僕は虹を見れたんだと思ってます」と決勝戦を天気に、優勝を虹に例えた詩を披露した。
小田は全豪、全仏、ウィンブルドン、全米の四大大会すべてとパリパラリンピックを制覇し、“生涯ゴールデンスラム”を達成。男子の国枝慎吾、女子のD.デフロート(オランダ)に次ぐ史上3人目、19歳という史上最年少での快挙となった。
決勝は2時間を越える激闘となったが「もうあんまり覚えてなくて。でも負けるかもっていうのは一瞬よぎったんですけどそっからはあんまり覚えてないですね」と振り返り、メンタルの強さを聞かれると「誰よりも練習してきたっていう自信があるからかなっていう感じです」と応えた。
テニス以外での自分へのご褒美を聞かれると「久々に帰りの飛行機でお菓子を食べましたね。それが一番、ちょっと今嬉しいなっていう感じです」と笑顔を見せた。
生涯ゴールデンスラムを達成し、今後の目標を聞かれると「車椅子じゃない人でも車いすテニスができる。スポーツとしての大会を開きたいっていうのがあって、別に誰でも(車いすに)乗ってテニスできてもいいんじゃないかなって」と口にし、「いろんなテニスクラブに車椅子をプレゼントしたりとかもしたいなと思ってて、いろんな小学校とかにも、もう本当に賞金全部そっちにつぎ込んででもやりたいなって思ってるぐらい」と車いすテニスの普及を力強く語った。
「10年ぐらいかかるかもしれないですけどこれからスタンダードをここから作っていきたいっていうのがあって、そうすると、もっと強い人も出てくるかもしんないし、そうなると僕ももっと燃えてくるかもしれない」と話した。
「車いすテニスプレイヤーだけどやっぱり1人の何だろうな、メッセンジャーとして何かを変える人でいたい。めっちゃ勝った人っていうよりは、めっちゃ何かを変えた人でありたい」と自分の感覚を表現した。
最後には「世界を変えたいですね。やっぱりめちゃくちゃ変えたい。日本ではこんなにいろんな人に覚えてもらえて、ヨーロッパ、アメリカ行っても誰も見てくれないみたいな。まだまだだなって思うし、もっと海外のテニスファンに覚えてもらいたい、ビッグになりたいんですね」と語った。
【小田凱人 パラリンピック&四大大会優勝】
パラリンピック 金メダル(2024年パリ)
全豪優勝(24年)
全仏優勝(23年、24年、25年)
ウィンブルドン 優勝(23年、25年)
全米優勝(25年)
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