9月6日、広島サンダーズが世界選手権を控えるアメリカ男子代表との親善試合を開催。その際に選手として2度、監督として1度オリンピックで金メダルを獲得した経験を持つアメリカ男子代表カーチ・キライ監督に独占インタビューを実施し、広島サンダーズや日本代表について聞いた。
Q:今回このような親善試合の機会が設けられたことについて
「まだ合宿期間は残っているが、広島のすばらしい施設でここまで順調にいい準備ができている。広島サンダーズがすばらしいホストとして私たちを迎え入れてくれたことに感謝している」
Q:日本・広島の印象
「現役時代に何度も日本で国際試合を戦ってすばらしい経験ができた。本当にバレーに熱心な国で勉強になった」
「日本自体もバレーの伝統国だと思う。近くにバレーボールのレジェンドの一人である猫田勝敏(ねこだ・かつとし)さんのミュージアムがあってそういったことも学べるすばらしい場所だと思っている」
Q:猫田さんをなぜ知っているのか
「オリンピックの偉大なチャンピオンとして記憶している。当時の日本代表はその活躍でバレーボールのスタイルを変えた存在だった」
Q:今回の試合はどういう課題を持って臨んだか
「ここに来るまでの5週間の強化期間でレジェンドの一人であるマイカ・クリステンソン選手や経験豊富なテイラー・エイブリル選手が合流した。経験ある選手と現存の選手が融合するというところがこの5週間のテーマだった」
Q:今回の試合で得た気づき
「広島に来るまで紅白戦でしかゲーム形式の練習がなかったので広島サンダーズとの試合は久しぶりの対外試合だった。この試合から得られたことはすぐには見つけられないが、他チームとの経験は自分たちにとって大きい。ブルガリアとも強化試合があるのでそこに向けて継続して取り組んでいければ」
Q:広島サンダーズの印象
「去年の広島サンダーズの試合をチェックした。世界選手権に向けて代表チームで活動している選手もいるのでフルメンバーではないということは認識している。そういった中でもすばらしい力を持ったチームだと思うし、全員が揃えばもっといいチームになると思う」
Q:印象に残った選手で新井雄大(あらい・ゆうだい)選手の名前を挙げていた
「昨日の練習に参加してくれたことはうれしかった。アメリカ代表の名誉選手の一人として登録させていただければと思う。すばらしいパフォーマンスで練習の質を一段階引き上げてくれた。自分たちにとっても彼を練習に招き入れたことはよかった」
Q:ネーションズリーグでも対戦した永露元稀(えいろ・もとき)選手について
「(永露選手のプレーには)感銘を受けた。広島サンダーズが契約するに値する選手だったと思う」
Q:日本代表について
「ここ数年の進歩は目覚ましいものがある。去年のオリンピックも1点のところまで準決勝進出というところまで迫った。日本代表が世界のトップレベルに戻ってきたことは男女含めてバレー界にとってもスポーツ界にとってもいいこと」
Q:世界選手権への意気込み
「2025年の締めくくりとしてすばらしいバレーをアメリカ代表として展開して、9月28日の決勝戦に到達できることを目標としたい。世界選手権には素晴らしいチームが多く参加しているので中々そこまでたどり着くには難しいと思うが、そこに向けてチャレンジしていきたい」
〇カーチ・キライ(1960年~)
選手時代に1984年のロサンゼルス五輪、1988年のソウル五輪で金メダルを獲得。FIVB(国際バレーボール連盟)によって”20世紀最優秀選手”に選出された。2021年の東京五輪ではアメリカ女子代表の監督として金メダルを獲得し、2024年10月にアメリカ男子代表の監督に就任した。
〇猫田勝敏(1944年~1983年)
広島県安佐郡安古市町(現広島市)出身で崇徳高校では全国優勝。その後、日本専売公社広島地方局(現日本たばこ産業株式会社中国支社)に入社し、専売広島(現:広島サンダーズ)に入部する。
オリンピックには4大会連続出場し、1972年のミュンヘン五輪では日本代表を金メダルに導いた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。