10月から発売する熊本県初のジャパニーズウイスキー「山鹿 ザ・ファースト」=熊本市中央区で2025年9月16日午後5時55分、宮下正己撮影

 熊本県内初のモルトウイスキー専門蒸留所「山鹿蒸溜所」(同県山鹿市鹿央町)は、ジャパニーズウイスキーとして同社初となる銘柄「山鹿 ザ・ファースト」を完成させ、10月に全国で発売する。8600本の限定。試飲を兼ねた発表会が熊本市中央区のホテルであり、約100人の参加者は「フルーティーでクリーミーな味わい」と酔いしれた。

 「ジャパニーズウイスキー」と銘打つには、樽(たる)詰めから3年以上の貯蔵や、国内で採水された水の使用などの基準を満たさなければ認められない。「山鹿 ザ・ファースト」は熊本県初のジャパニーズウイスキーとなる。

 同社によると、「山鹿らしさ」にこだわり、1000人の女性で踊る山鹿灯籠(とうろう)踊りの優雅さをコンセプトに、女性的な酒に仕上げた。ブレンドした四つの原酒のうち、山鹿市が西日本一の栗の産地であることから、県産の栗樽で寝かせた原酒も使い厚みと深みを持たせた。10月4日から熊本県内を中心に全国の百貨店、酒店などで発売する。1本700ミリリットル(58度)で税込み1万4850円。

発表会であいさつする本坊正文社長=熊本市中央区で2025年9月16日午後5時3分、宮下正己撮影

 発表会で本坊正文社長は「製造開始から3年10カ月。やっとお披露目できた。優雅さの中に凜とした芯のあるウイスキーにした」と紹介。木村敬知事は世界的にジャパニーズウイスキーが高く評価されていることから「熊本の食と酒の魅力を世界に発信していくことを期待している」とあいさつした。

 山鹿蒸溜所は2021年11月に創業。山鹿市は良質で豊富な深層地下水があり、寒暖差などの気候が樽熟成に適しているとしてウイスキー造りの場に選んだ。【宮下正己】

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