下請け企業に支払う代金から振込手数料分を実費以上に減額していたのは下請法違反にあたるとして、公正取引委員会は19日、トヨタ自動車系のジェイテクトに再発防止を勧告した。
ジェイテクトはベアリングの部品などの製造を下請け企業に委託していた。振込手数料を下請け企業の負担にすると合意していたが、実際にかかった額以上を差し引いていたことを問題視された。
公取委によると、同社は2022年12月〜24年11月の間、下請け企業374社に対し、総額177万円を不当に減額していた。
ジェイテクトはすでに減額した全額を下請け企業に返金している。公取委の調査に対して、システムの不備によって手数料より高い金額が差し引かれていたと説明したという。
下請法は当事者間の合意があっても発注後の代金から不当に減額することを禁じている。
下請け企業との取引における振込手数料の負担を巡っては、商慣行の見直しが迫られている。公取委は26年1月の改正下請法施行に伴う運用基準の改定で、合意の有無にかかわらず振込手数料を下請け企業に負担させる行為を違反と整理する見込み。
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