水産庁は19日、スルメイカの2025年の漁獲枠を2万5800トンと現状から34%増やすことを決めた。適用期間は毎年4月から翌年の3月までで、期中の改定は現行制度を始めた1998年以降で初めて。太平洋側の漁獲量が想定より増えており、枠の拡大要望があがっていた。

水産政策審議会(農相の諮問機関)で19日了承した。25年の漁獲枠を巡っては、水産庁が2月に前年比で76%減となる1万9200トンとした。資源保護の観点で1998年以降で最も少なくしていた。

今年は折り返し前の9月11日時点で枠の56%を消化した。各地で豊漁となっているもようで、漁業関係者から「すでに枠の上限に達してしまい、操業できず死活問題だ」といった声があがっていた。

期中の改定については、審議会の出席者から「今回の豊漁は一時的な可能性もある。科学的な根拠が不十分だ」といった意見もあった。漁業者の所得向上と資源保護のバランスは判断が難しくなっている。

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