三井住友フィナンシャルグループ(FG)は19日、米投資銀行ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループに追加出資すると正式発表した。傘下のSMBC日興証券との合弁会社を設立し、日本株関連事業を統合する。SMBC日興から管理部門を含めて400〜500人を移す。ジェフリーズの知見を取り込み、大企業取引を増やす。

三井住友FGはジェフリーズに1350億円を追加出資し、持ち分を現在の14.5%から20%に引き上げる。議決権は5%未満を維持する。

2027年1月にSMBC日興が過半を出資する連結子会社「SMBC日興ジェフリーズ証券」を開業し、日本株事業を統合する。SMBC日興の機能を移管し、企業の株式引き受け業務を手がける。流通市場で有価証券を売買するセールス&トレーディングや日本株のリサーチ業務も担う。

SMBC日興証券は株式発行会社への営業を担当するほか、富裕層を含む個人部門に取り組む。三井住友FGは2社の連携を促す中間持ち株会社の設立も検討する。

三井住友にとって、投資銀行部門の強化は積年の課題だった。1999年から大和証券と共同出資会社をつくって協業していたが、2009年に解消した。08年のリーマン危機後、三井住友は米シティグループから日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)を買収し、同社が手薄だった法人部門の増強を急いできた。

英LSEGによるとSMBC日興証券は25年1〜6月に日本株引き受けで2位と前年の5位から順位を上げたが、1位の野村証券に出遅れている。ジェフリーズとの合弁会社を引受先にして、グローバルな案件への対応力を高める。

海外でも協業を広げる。欧州や中東、アフリカでは投資ファンドへの提案で協力する。ジェフリーズに25億ドルの与信供与も実施する。欧州などではジェフリーズの顧客企業が買収資金を確保するためのLBO(借り入れで資金量を増やした買収)ローンや、米国では新規株式公開(IPO)直前の企業向け融資に役立ててもらう。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。