水産庁は19日、今年度のスルメイカの漁獲枠について、現状の1万9200トンから34%拡大し、2万5800トンにすることを決めました。

スルメイカの漁獲量は海洋環境の変化などで2016年以降大きく減少し、昨年度の漁獲量は過去最低のおよそ1万8000トンにとどまりました。

このため水産庁は「資源を保護する必要がある」として、今年度の漁獲枠をこれまでで最も少ない1万9200トンに設定していました。

水産庁によりますと、今シーズンは黒潮の流れが大きく曲がる「黒潮大蛇行」と呼ばれる現象が終わり、スルメイカの生息域で海水温などが成長に適した水準に変化した可能性があるということです。

その結果、青森県や岩手県の沖合での漁獲量が大幅に増え、ことし4月以降の5か月余りで漁獲枠の半分を超えたため、一部の漁業者から枠の拡大を求める声があがっていました。

スルメイカの漁獲枠を年度途中で変更するのは初めてだということです。

水産庁は今後、全国の漁業者に周知することにしていますが、漁業者の所得の確保と資源保護をどう両立していくか、引き続き課題になりそうです。

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