日本鉄鋼連盟(東京・中央)は22日、8月の国内粗鋼生産量が前年同月比3.4%減の663万6000トンだったと発表した。5カ月連続の減少となった。中国の過剰生産による市況悪化が常態化しつつある。国内需要も人手不足などによる建設工事の遅れで低迷している。
高炉でつくる「転炉鋼」は3.6%減の511万4000トンと5カ月連続でマイナスとなった。電炉でつくり主に建設向けで使われる「電炉鋼」は2.6%減の152万3000トンで、13カ月連続で減った。
1日当たりの粗鋼生産量でみると8月は21万4000トンとなり、7月の22万3000トンと比べると4.1%減となった。
日本鉄鋼連盟は8月に鋼材輸入時のアンチダンピング(反不当廉売、AD)関税を回避する「第三国迂回」への対応策を政府に要望した。海外では中国や台湾などの鋼材で、第三国で加工することでAD関税を免れる例がある。日本政府も中国と台湾を対象にAD調査を始めると公表するなど、中国発の過剰生産への対策に動いている。
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