群馬銀行のPBR(株価純資産倍率)が15日と18日の東京株式市場で、取引時間中に1倍を超えた。PBRが1倍を超えるのは2008年6月以来17年2カ月ぶり。格安とみられてきた上場地銀だが、収益力が高く市場との対話を重視する地銀の株価は上昇しており、二極化が進んでいる。
経営管理指標としてリスクアセット利益率(RORA)を重視し、収益性を高めてきた群馬銀の経営姿勢が奏功した形だ。25年2月に発表した28年3月までの中期経営計画(中計)で純利益を600億円、自己資本利益率(ROE)を10%以上とする目標を掲げている。
株価上昇の理由として、SBI証券の鮫島豊喜シニアアナリストは「24年7月〜25年6月のROEは8.3%。地銀の中ではかなり高く、RORAなどを用いた収益管理が実を結んだといえる。株主還元の拡充や第四北越フィナンシャルグループ(FG)との経営統合への期待もある」と話した。
群馬銀は27年4月をめどに第四北越FGと経営統合をめざすことで基本合意している。株価は15日には一時1522円をつけ、1990年1月8日につけた上場来高値の1530円をうかがう展開となった。18日の終値は前週末比13円(0.86%)安の1499円だった。
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