
山陰合同銀行の電力子会社、ごうぎんエナジー(松江市)は、送配電網につないで電力需給を調整する系統用蓄電池事業に参入する。銀行子会社としては全国初めてという。鳥取県倉吉市内に蓄電所を設け、11月中の稼働を予定する。再生可能エネルギーの普及拡大や電力の安定供給につなげる。
倉吉市内にある山陰合銀の所有地にリチウムイオンの蓄電池を4台設置した。出力は1990キロワット。蓄電容量は8128キロワット時で、単純計算で一般家庭750世帯程度の1日あたりの電力使用量をまかなえる計算だ。投資額は公表していない。
ごうぎんエナジーは電力供給量が多い日中に蓄電し、一般家庭の電力需要が増える夕方から夜間にかけて放電することを想定している。蓄電所を電力の需給バランスの調整弁として活用することで、脱炭素社会実現に向けた再生エネの活用推進につなげる。
太陽光発電などの再生エネは、季節や天候による発電量の変動が大きい。需要を大きく上回って発電した場合、再生エネ発電の稼働を一時的に止める出力抑制が生じることもあり、利用拡大に向けた課題となっていた。
ごうぎんエナジーは山陰合銀の完全子会社で2022年設立。地銀としては全国初の電力子会社で、再生エネや脱炭素の支援などを手がけている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。