日本製鉄はことし6月、USスチールの普通株式を100%取得する形で完全子会社化し、成長が見込めるアメリカ市場で事業拡大を進める戦略です。
会社はUSスチールが今週、開いた取締役会で、アメリカ国内の2つの製造拠点に3億ドル、日本円で440億円余りを投資する計画を承認したと発表しました。
具体的には、インディアナ州にある最大の製造拠点で自動車向けなどの製品の拡充を図るため設備の改修を行うほか、ペンシルベニア州の製造拠点で鉄の製造過程で出る「スラグ」をリサイクルする設備を新設するとしています。
今回の投資を手始めに2028年までに110億ドル、日本円でおよそ1兆6000億円を投資する計画です。
USスチールの買収をめぐってはアメリカ政府が、経営の重要事項について拒否権を行使できる「黄金株」1株を取得し、一定の影響力を持つことになる中で、日本製鉄としてはアメリカ政府の理解も得ながら着実に事業拡大を進めたい考えで、巨額の投資に見合う収益を生み出せるかが焦点です。
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