電気設備資材の卸大手「新明電材」(さいたま市)が、「感謝セール協賛」などの名目で一方的にメーカーから金銭を徴収していたとして、公正取引委員会は25日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで警告を出した。
新明電材は中小企業で、徴収されたメーカーには大企業も多かったが、公取委は企業規模だけでなく取引依存度などから総合的に判断し、警告に至ったとみられる。
新明電材は空調設備や照明器具、配管材などの電気設備資材をメーカーから仕入れ、ビルや住宅への設置工事を担う電気工事業者に卸している。
公取委の発表によると、同社は遅くとも2022年4月~25年7月、電気設備資材のメーカーから「感謝セール協賛」や「協力会費」の名目で取引額の約1%分の金銭を徴収。いずれも使途を説明せず、自社の収益としていた。一方的に徴収していた対象は取引関係にあるメーカー約400社のうち半数以上で、大企業も多く含まれていたという。
取引依存度などを総合的に判断
独禁法は、取引先に対する強い立場を利用して不当に不利益を受け入れさせる行為を「優越的地位の乱用」として禁じている。強い立場は企業規模に限らず、市場での地位や取引依存度などによって総合的に判断される。
新明電材は公取委による調査を受け、違反疑いの行為を自主的に改善するなどしたため、公取委は調査を終え、違反を認定する排除措置命令ではなく警告にとどめたという。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。