伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)

日本百貨店協会(東京・中央)が25日に発表した8月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比2.6%増の4139億円で7カ月ぶりのプラスだった。大幅な前年割れが続いた免税売上高は4.7%減の441億円と6カ月連続のマイナスだったが、減収幅は縮小した。

免税購買客数は8.9%増の49万4千人で、8月として過去最高を記録した。免税の1人当たりの購買単価は12.4%減で、高級ブランドを含む一般物品売上高(8.7%減)は前年割れが続く一方、化粧品などの消耗品売上高(18.5%増)が伸びた。

2024年8月は歴史的な円安水準から一転円高が進んだほか、台風による一部店舗の臨時休業などがあった。前年の消費水準の低下が一定程度、減収幅の改善に寄与したと見られる。

ただ、同協会の西阪義晴専務理事は「実額で見ても7月の免税売上高(403億円)より高い。客単価の減少を客数で補う構図が続きつつ、今後は春節(旧正月)などで増加するのでは」と分析する。

海外から羽田空港に到着した外国人観光客(8月)

国内売上高は3.5%増で、7カ月ぶりの増収だった。猛暑の中で夏物衣料や雑貨が好調だったほか、夏休みの帰省・旅行などで手土産需要も高まった。

商品別でみると、主要5品目は高級ブランドを含む身のまわり品(0.5%減)以外は3〜7カ月ぶりに増収に転じた。地域別では、東京23区や大阪市など主要10都市は2.9%増、それ以外の地区も1.4%増だった。主要都市以外の地区の増収は11カ月ぶりだ。

9月1〜18日の主要百貨店の売上高は4.1%増で、プラスが続く。西阪専務理事は「(西武池袋本店など)都内大型店の改装が進み、順次開業することも全体の売り上げ改善につながる」と期待する。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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