
星野リゾートは25日、国の重要文化財「旧奈良監獄」(奈良県奈良市)を活用したミュージアムを2026年4月27日に開業すると発表した。矯正行政の歴史や刑務所の生活を紹介するとともに、近代の建築遺産の魅力をアート作品で演出する。
名称は「奈良監獄ミュージアム」。敷地内では高級ホテル「星のや奈良監獄」(48室)が26年中にオープンするが、ミュージアム部分は宿泊客以外でも利用できる。年間入場者数の目標は30万人。

ミュージアムは看守所や独居房など当時の状態を残した保存エリアに加え、カフェとショップが併設された展示エリアを整備。西洋の装飾洋式を取り入れた赤レンガ造りの建物が最大の特徴で「美しき監獄からの問いかけ」をコンセプトとする。大人料金は2500円(日本在住者)で、奈良県在住者は2000円。海外在住者は3500円。
旧奈良監獄は、明治政府が計画した「五大監獄」の一つで、1908年に完成。所有権を国に残したまま運営権を民間に売却するコンセッション方式を採用している。大阪市内で開かれた記者発表会で、星野佳路代表は「観光を活用した収益で重要文化財を維持するという新しい取り組み。地域にとってもプラスになる」と話した。
また、奈良県内では新たに「星のや飛鳥」(明日香村、35室)を27年に開業することが発表された。【小坂剛志】
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