
JX金属は26日、銅リサイクル事業で使うスクラップの前処理を増強するため、大分市の主力製錬所に約70億円を投資すると発表した。処理能力は2025年比で約5割増え、27年度の設備稼働を予定する。同社が製造する銅のうち、鉱石由来の銅は中国の影響で採算が悪化している。利益を出しやすいリサイクル由来の銅を増やして収益性を高める。
大分市の佐賀関製錬所で投資する。スクラップには低品位の廃電子基板や、高品位の使用済み銅線などがある。形にばらつきがあり不純物を多く含む廃電子基板をリサイクルするために焼却して前処理する必要があり、焼却炉などの設備を増強する。26年3月期の連結業績への影響は軽微という。
鉱石由来の銅製錬は中国で銅の製錬所が増えたため、JX金属をはじめとする製錬会社が鉱石を調達する際の条件が悪化し採算性が低下している。リサイクル由来の銅製錬は利益を出しやすく、JX金属は現在20%強のリサイクル比率を40年までに50%に高めるとする長期目標を掲げている。
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