
富士通と産業技術総合研究所は29日、量子技術の国際的な競争力強化に向け提携したと発表した。量子コンピューターの関連技術や製造・評価設備など両者がそれぞれで持つ資源を共有するほか、人材交流も活発化させる。
富士通は8月、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受け、2030年度までに世界最高レベルの計算能力を持つ超電導方式の量子コンピューターを開発すると発表した。理化学研究所や産総研とも連携する。
量子コンピューターの開発にあたっては冷凍機やケーブルなど様々な部素材メーカーとの連携が欠かせない。富士通は新型機の開発・運用に向け、産総研が持つ国内の部素材メーカーや海外の企業・研究機関などとのネットワークを活用する。
今回の提携を通じて両者は富士通の新型機の開発に弾みをつけるほか、既に産総研が導入している富士通の量子コンピューターの活用などでも連携を深める。
創薬や材料開発に生かせる量子計算技術は米中を中心に開発を競っており、経済安保の観点から国産化の重要度が増している。
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