
東レは1日、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池の主要材料であるセパレーター(絶縁材)事業で、ハンガリー工場を合弁相手の韓国LG化学に売却すると発表した。折半出資していたが、12月に約300億円で50%の株式を売却する。業績への影響は軽微という。セパレーターはEV需要の低迷や中国勢の台頭で競争が激化している。
セパレーターはリチウムイオン電池の主要4材料の一つで、東レは日本、韓国、ハンガリーで生産している。ハンガリー拠点は2022年にLG化学の出資を受け入れ折半出資となり、主にLGグループの欧州の電池製造拠点向けに供給してきた。
出資受け入れ時点で後に東レの持ち分の20%分をLG化学に売却する計画だったが、全50%の売却で合意した。東レは欧州でのセパレーター製造から撤退し、日本、韓国での製造は継続する。各拠点の生産能力は非公表だが、韓国、ハンガリー、日本の順に大きいとみられる。
セパレーターは中国企業が台頭し価格競争が激しく、旭化成や東レなど日本企業のシェアは低迷している。東レは25年5月の経営説明会でセパレーター事業を構造改革の対象とし、事業の縮小や撤退もふまえ検討するとしていた。
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