三井化学やNECなどは7日、廃棄プラスチックのリサイクルの効率化に向け協業すると発表した。人工知能(AI)を使うことで材料開発の効率を高め、再生材の品質を安定化させる。再生材製造にかかる時間を従来比25%削減することで、リサイクルの拡大を促す。実用化に向けて今後、実証に取り組む。
三井化学、NEC、合成樹脂繊維大手の萩原工業、樹脂原料販売の丸喜産業(富山県高岡市)の4社が協業する。AIを材料開発に応用する「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」の手法を、性質を変えずに素材として再利用するマテリアルリサイクルに使う。
三井化学と萩原工業が、再生材の製造中に粘度を測りながら追加する樹脂の量を調整できる装置を開発した。丸喜産業が同装置を使って得られる粘度のデータを、NECがMIで分析する。再生材製造に必要な材料をいつどのくらい入れるかなどの調整をリアルタイムでできるようにし、求められる物性を安定的に出せるようにする。
再生材の原料となる廃プラの質や量は日々異なり、必要な粘度や強度にするには添加する材料の種類や量を都度調整する必要がある。これまではベテラン技術者のノウハウをもとに配合を決めたり、廃プラの粒の大きさをそろえたりと手間や時間がかかった。新たな装置では廃プラの大きさをそろえる工程も省けて製造時間を短縮できる。
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