
群馬経済研究所(前橋市)は、高崎市倉渕町ゆかりの幕臣、小栗上野介忠順(こうづけのすけただまさ)を主人公にしたNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」による県内への経済波及効果を約107億円と試算した。放映による観光客の増加数は約133万人と見込んだ。【庄司哲也】
観光客133万人増
試算は、コロナ禍で観光客が大きく落ち込む2019年以前に放映された大河ドラマ10作品から、観光客の増加率を算出し、観光に伴う消費の増加額を推計するなどして導いた。
「逆賊の幕臣」の放映により、観光客は宿泊客が約36万人増、日帰り客が約98万人増となり、合わせて約133万人増となると予測。これにより観光消費額は、宿泊客が約75億円増、日帰り客が約38億円増で、約113億円増えると推計した。

さらに観光消費の増加額のうち、県内産業に実際に支払われる「直接効果」は約70億円。そこから派生する生産者の原材料の購入などで生じる「間接効果」は約37億円で、波及効果は約107億円に上るとした。
同研究所は「大河ドラマの放映は、舞台となる地域にとって、魅力を全国に発信する絶好の機会。この好機を一過性の盛り上がりで終わらせず持続的な観光振興へとつなげていくには、戦略的な視点と、地域一体となった取り組みが求められる」と指摘している。
「逆賊の幕臣」はNHK大河ドラマ第66作目の作品で、27年に放送される。主人公の小栗役は、俳優の松坂桃李さんが演じる。
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