壁に株価チャートや東証ビルなどの絵を描いたツインルーム(7日、東京都中央区)

平和不動産は7日、東京都中央区の兜町で米ハイアット系のホテルを開業した。東京証券取引所があり金融街として知られる兜町にインバウンド(訪日外国人)を呼び込み、需要が旺盛なホテル事業を広げる。

同日に開いた開業式で土本清幸社長は「ホテルが街のにぎわいに多様性を加え、兜町の新しいハブとなるように経営する」と話した。

名称は「キャプション by Hyatt 兜町 東京」。キャプションはハイアットが運営する地域密着型のホテルブランドで、国内では2024年に開業した大阪・なんばに続く2棟目となる。東京メトロや都営浅草線の日本橋駅から徒歩2分の場所に位置する。平和不が老朽化したビルを取得し、建て替えた。

キャプション by Hyatt 兜町 東京(7日、東京都中央区)

全195室を備え、最低客室単価は1泊4万8400円(1室2人利用、宿泊税別)。4人利用のスイートルームにはキッチンや洗濯乾燥機を完備し、中長期の滞在需要にも応える。株価チャートや東証ビルなど兜町にちなんだ絵を室内の壁にあしらった。7月から受け付けを始めた予約率は堅調で、大半が訪日客という。

1階にはカフェやバーを併設して宿泊以外の集客も狙った。会議室や宿泊客専用の無料ジムも併設した。エリア内での回遊を狙い、兜町に醸造所があるどぶろくを使ったカクテルを提供するなど地元店との連携も強めた。

大成建設の技術を活用した、渋沢栄一の案内で兜町を巡るデジタルツインゲーム(7日、東京都中央区)

ホテルの利用者向けに、仮想空間に都市を再現する技術「デジタルツイン」を活用し、兜町の街を歩いてチェックポイントを巡ると割引クーポンがもらえるゲームも導入した。資本業務提携先の大成建設の技術を取り入れた。

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