日産自動車が国内向けに発売する3代目の電気自動車「リーフ」=神奈川県横須賀市で2025年10月2日午前11時10分、鶴見泰寿撮影

 日産自動車は8日、電気自動車(EV)「リーフ」の国内向け新モデルの受注を17日から全国の日産販売店で始めると発表した。航続距離は約700キロと現行モデルから約3割向上。前を走る車に合わせて一般道でも車間距離を一定に保ち、自動で減速や停止をする運転支援技術も搭載した。日産は新型リーフを「EVの主流になるクルマ」と位置付け、経営再建の推進役にしたい考えだ。

 リーフは2010年に世界初の5人乗り量産型EVとして発売され、EVの草分けとして知られる。今回は17年以来8年ぶりの全面改良で、3代目となる。

 ただ利用者にとっては走行距離の短さや充電の煩わしさが長年ネックとなり、国内新車販売台数に占めるEVの割合は今も2%未満と普及は進んでいない。

 新型リーフはスポーツタイプ多目的車(SUV)で、走行距離を伸ばすため、ドアノブを車体に組み込んで凹凸をなくすなど全体的になめらかな形状にして空気抵抗を抑えた。車内の冷熱システムを一括制御し、電池やモーターが発する熱を空調に活用するなどエネルギー消費も最適化した。

 充電性能も改善し、150キロワットの急速充電器を使えば電池残量10%から80%までが最短35分と、これまでより約15分短縮した。長距離移動に備え、目的地までの経路に充電スポットを含む最速ルートを案内するナビシステムを搭載した。

 電池容量は78キロワット時で、希望小売価格は標準モデルが税込み518万8700円、上級モデルが同599万9400円。電池容量が55キロワット時のモデルも来年2月に発表するとしている。

 新モデルは米国で先行販売されており、欧州では来春ごろ発売予定。栃木工場(栃木県)と英サンダーランド工場で生産し、米国向けは栃木工場から輸出する。【鶴見泰寿】

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