大谷選手を起用した販促が売り上げを押し上げた

ファミリーマートが8日発表した2025年3〜8月期の連結決算(国際会計基準)は、事業利益が前年同期比19%増の616億円だった。同期間として3年連続で最高となった。米大リーグの大谷翔平選手を広告に起用したおにぎりの販売がけん引した。前年に計上した中国事業の再編に伴う特別利益の反動で、純利益は33%減の438億円だった。

売上高に当たる営業収益は1%増の2605億円だった。6月に発売した辛い味付けのチキン総菜「ファミチキレッド」の売れ行きが伸びた。イートイン(飲食)スペースを縮小して売り場面積を広げたことで、菓子類などの販売を押し上げた。

1店舗あたりの売上高(全店平均日商)は2万2000円増の59万5000円と、同期間として過去最高を更新した。加盟店利益の平均も最高だった。物価高を踏まえた卵や冷凍食品などの割引や、8月に打ち出した増量キャンペーンが集客に寄与した。

国内の店舗数は62店増の1万6335店と、同期間として4年ぶりの純増に転じた。不採算な直営店の閉鎖に一定のメドを付け、26年2月期は通期で純増を見込む。

足元では人件費や水道光熱費などのコスト上昇が重荷になっている。細見研介社長は8日の決算記者会見で「人件費をかけながら日商(売り上げ)のみを追いかける世界は終わった」と指摘した。インフレが常態化するなかで「顧客の利便性に加え、省人化を進めながら加盟店の効率的な利益拡大に主眼を置いていく」と話した。

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