中国の最新EVバッテリーを使った耐久試験の様子

損害保険ジャパンは8日、産業技術総合研究所などと中古電気自動車(EV)の電池を保証する保険技術を共同開発したと発表した。電池が何年後にどのくらい劣化するのかを車両の状態を反映して予測し、リスクに見合った内容で保険が設定できるようになる。

電池の劣化リスクを算定するモデルを用いて、車両ごとに電池の保証内容や価格を決める。一定の保証期間や走行距離ではなく、車両の状態やユーザーの希望に合わせて保証条件を柔軟に設定することが可能になる。EV電池の残存性能や寿命に対する消費者の不安を解消し、残価を守る。

走行距離や年式など約10点の車両データがあればどのEVモデルでも保険を設定できる。電池の劣化プロセスを表す数式に車両データをあてはめることで、電池がどのように劣化していくのかを予測する仕組みだ。

数式の開発には中国の最新EVの電池を用いた。どのような使い方をしたら電池がどう劣化するのかデータを集めるため、約1年半をかけて試験した。電池を解体して分析も実施した。

何年後にどのくらいの残存性能があるのかを見える化し、ユーザーの好みに合わせて電池保証の内容を決めることができる。今後は需要に合わせて中古車販売店などで保険の提供を目指す。

【関連記事】

  • ・オークネット、自動でEV電池劣化診断 1日→5分に短縮
  • ・オリックス自動車、EV電池の劣化診断 丸紅・パナ連携で中古価格適正化
  • ・中古EV電池の測定、1日→1分に 性能保証で国内市場創出
BUSINESS DAILY by NIKKEI

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。