
KDDIは8日、独BMWグループのインターネットに接続するコネクテッドカー(つながる車)向けに通信システムの提供を始めたと発表した。BMWが7月以降に生産し、北米で販売する全車両に搭載する。自動車の高性能化が進むなか、品質の高い通信への需要は今後も拡大すると見込む。
BMWの車両に通信システムを搭載し、米通信キャリアのベライゾン・コミュニケーションズやカナダのテラスの通信を相互に接続できるようにする。北米で安定したモバイル通信の提供を目指す。
通信システムでは、車両の位置情報からベライゾンやテラスへの自動的な接続・切り替えと通信状況を監視する。米国とカナダの国境を越えて移動した場合でも、動画配信や音楽配信のサービス、位置情報に連動するアプリなどを途切れなく利用できるようになる。
車両の通信状況や走行データをリアルタイムで収集して処理、分析しBMWに提供する。BMWはデータを用い、車両の機能やサービスの品質向上につなげる。
KDDIはトヨタ自動車と組み、コネクテッドカー向けの通信システムを開発した。提供先には、トヨタやマツダなどがある。
調査会社の富士経済(東京・中央)は、コネクテッドカーの新車販売台数が2035年には9230万台に上ると予測する。22年比では約2倍となるという。
KDDIは主力の携帯電話事業が人口減で大きな成長を見込めないなか、業績のけん引役として、あらゆるモノがネットにつながるIoTサービスを拡大している。25年度にはIoTサービスの売上高を2000億円と23年度に比べて3割増を目指す。
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