
松屋は9日、2026年2月期の連結純利益が前期比50%減の12億円になる見通しだと発表した。従来予想から11億円下方修正した。訪日外国人客の高額消費の一巡などで免税売上高が当初想定を大幅に下回っている。自社オンラインサイト運営子会社の業績が計画を下回り、特別損失を計上したことなども響く。
あわせて最大40億円の自社株買いを実施すると発表した。発行済み株式総数(自己株式を除く)の4.52%にあたる240万株を上限とする。買い付け期間は10日〜26年4月30日とする。
売上高は6%減の450億円、営業利益は55%減の20億円の見通しで、従来予想からそれぞれ50億円、20億円下振れする。前期は高級ブランド値上げ前の駆け込み需要や円安で免税売上高が好調だったが、25年3〜8月期は客数・客単価ともに前年同期を割り込んでいる。銀座店(東京・中央)の免税売上高は前年同期比35%減だった。
9月以降の下半期の免税売上高も上半期と同水準で見込んでおり、前年同期比では25%減となる。森田一則取締役は「(修正後の業績予想は)堅めにみており、今年の水準が巡航速度と捉えている。環境に左右されにくい体質を作るため、海外顧客との関係を密にしていく」と述べた。
国内売上高は堅調に推移しており、25年3〜8月期に前年同期比3%増で、下半期も7%増を見込む。銀座店の開店100周年記念に伴うイベントや、購買動向の分析施策が奏功している。
9日発表した25年3〜8月期の連結決算は売上高が7%減の224億円、最終損益は2億900万円の赤字(前年同期は17億円の黒字)だった。24年11月に立ち上げた自社オンラインサイト「matsuyaginza.com(マツヤギンザドットコム)」の事業が振るわず、運営子会社ののれんなどの減損損失10億円を計上した。
同日の決算説明会で、大高壽美代執行役員は「高級ブランドとの契約の課題があり、取り扱いブランド数が想定に届かなかったことなどが原因」と説明した。
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