国内最大級のデジタル技術見本市「CEATEC2025」が14日に開幕した(千葉市)

デジタル技術の見本市「CEATEC(シーテック)2025」が14日、千葉市の幕張メッセで開幕した。810の企業・団体が出展し、人工知能(AI)やセンサー、映像関連の技術を披露する。2年連続で10万人以上の来場を見込む。

主催する電子情報技術産業協会(JEITA)の漆間啓会長(三菱電機社長)は開会式で「世界で地政学リスクや関税など不確実性が高まるなか、持続的に成長、発展するにはデジタルの力が不可欠だ」と語った。

CEATECのオープニングセッションで挨拶するJEITAの漆間会長(14日、千葉市)

漆間氏は交通や住宅、医療といった生活の基盤となる分野でも社会課題の解決にはデジタル技術の活用が欠かせないと指摘し「その答えやヒントが集うのがシーテックだ。心躍る発見と出会いの場となるよう祈念する」と話した。

17日までの会期中に222の講演を開く。「AIエージェント」や「持続可能な社会」などのテーマを取り扱い、ホンダの三部敏宏社長をはじめとする企業経営者や政府関係者らが登壇する。最終日は大阪府の吉村洋文知事が来場し大阪・関西万博やそのレガシー(遺産)について語る。

24年に続きAI関連が出展の約半数を占める。

日立製作所は対話型AIシステム「Naivy(ナイビー)」を展示する。工場やプラントといった施設を管理する作業員が非熟練者でも直感的に熟練者の技能を再現しやすくする。

三菱電機の展示は未来の工場がコンセプトだ。AIが自律的な判断で業務にあたる生産ラインのデモンストレーションを見られる。ヤマダデンキはAIやIoT家電などを生かした未来の暮らしを再現する。

センシング技術の展示も充実している。リンナイは入浴中の心拍を計測し、高齢者などの見守りや利用者にあった入浴方法を提案する機器を出す。

ジャパンディスプレイ(JDI)は木材や石などの素材を介してセンシング出来る超高感度タッチセンサー「ZINNSIA」を展示。これまで難しかったふさふさの毛がついたペットロボットの実現などに役立てる。

海外からはインドやウクライナ、カナダなど29カ国・地域から156社・団体が出展する。一方、電機大手ではパナソニックや東芝は出展を見送った。

【関連記事】

  • ・CEATEC、過去3番目の出展数810社・団体 大臣賞にシャープやドコモ
  • ・AIボイレコのPLAUD、文字起こしの新端末 集音範囲7割増
BUSINESS DAILY by NIKKEI

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。