【サンパウロ時事】日本貿易振興機構(ジェトロ)は13日、ブラジル最大都市サンパウロで、日本産のマグロやコメの魅力を訴えるイベントを開いた。日本食の「本物志向」が高まるブラジルで有望な食材として、販路開拓に向け地元の飲食店関係者ら約60人に売り込んだ。
マグロは、オーケイコーポレーション(静岡県焼津市)が天然マグロの酸化を防止するためにマイナス60度まで冷凍する技術を利用してブラジルに輸出。日本の近海物も含めた販売を今月から始める。試食した参加者から「冷凍物とは思えない」との声が上がった。小川ケンジ代表取締役(40)は「マグロが足りず、値段が跳ね上がる時期」に商機があると語った。
コメは、新潟県産ブレンド米をキッコーマングループの「JFCトラドブラス」が手掛ける。三浦正寛社長(49)は、訪日旅行で日本食を味わったブラジル人によって「高い価値が認められるようになった」と指摘。新潟県産米の輸入を今年前半に開始したという。販路を飲食店から小売店にも広げたい考えだ。
ジェトロの井上徹哉サンパウロ事務所長は、日本の農林水産物・食品輸出の約2割を占める水産物が「ブラジルにはほとんど入っていない」と説明。市場開拓の余地が大きいと述べた。
日本貿易振興機構(ジェトロ)のイベントで静岡県焼津市の企業がブラジルに輸出したマグロを試食する参加者=13日、サンパウロ
日本貿易振興機構(ジェトロ)のイベントでブラジルに輸出された新潟県産米の魅力を訴える関係者=13日、サンパウロ
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