ニューヨーク証券取引所のトレーディングフロアにあるゴールドマン・サックスのロゴ=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】米金融大手ゴールドマン・サックスが14日発表した2025年7〜9月期決算は、純利益が前年同期比37%増の40億9800万ドル(約6200億円)だった。顧客企業の投資意欲の復調に伴い、M&A(合併・買収)助言や株・債券の引き受けが好調だった。相場上昇により株や債券のトレーディング収益も伸びた。

1株利益は12.25ドルと、QUICK・ファクトセット集計のアナリスト予想11.03ドルを上回った。14日の時間外取引では前日終値を挟んで荒い値動きとなっている。

事業会社の売上高に相当する純営業収益は20%増の151億8400万ドル。投資銀行部門がけん引した。M&A助言手数料は企業買収活動の高まりによって60%増の約14億ドルとなった。債券引受手数料は30%増。買収資金などの調達意欲が強かった。新規株式公開(IPO)の復調が続いたことで、株式の引受手数料は21%増だった。

7〜9月期は米株式相場の最高値更新が続くなど金融市場の取引が活発になりトレーディング収益も増えた。株式は売買仲介や投資家向け与信が伸びて7%増の約37億ドル。債券・為替・商品は17%増の約35億ドルだった。

資産運用・富裕層部門の収益は17%増の約44億ドルだった。預かり資産が過去最高を更新し、運用手数料収入が増えた。

デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は「市場環境の好転のなかで、我々が戦略的に実行してきたことが表れた決算内容となった」とする声明を出し「状況はすぐに変わりうるとも認識しており、引き続き強固なリスク管理に集中する」と説明した。

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