
東京都は15日、都営地下鉄大江戸線延伸の事業化に向けた試算結果を正式発表した。終点の光が丘駅(東京・練馬)から約4キロメートル延ばす計画で、開業後40年以内に累積損益が黒字化すると試算した。総事業費は約1600億円を見込む。2040年ごろの開業を見据え、国や練馬区と調整を進める。
計画は光が丘駅から北西方面に延伸し、同区内に土支田駅、大泉町駅、大泉学園町駅(いずれも仮称)の3駅を新設する内容。延伸により、乗客数は1日約6万人増えると見込む。最寄り駅まで1キロ以上離れた「鉄道空白地域」を解消する。
都は国や自治体が財政支援する「地下高速鉄道整備事業費補助」の活用を念頭に置く。鉄道事業の許可は開業から40年以内の累積損益の黒字化が要件とされる。試算によると、整備効果を費用で割った「費用便益比(B/C)」は事業化の目安となる1以上となった。
延伸が実現すれば、延伸区間周辺から東京都心部へのアクセスは大幅に改善する。大泉学園町駅の予定地付近から新宿駅への所要時間は50分から31分に、東京駅までは64分から50分に短縮する。
都は15年の広域交通ネットワーク計画で、大江戸線延伸を「優先的に検討すべき路線」のひとつに選定。23年に設置したプロジェクトチームで検討を続けてきた。国の交通政策審議会も16年の答申で事業化に向け「進めるべき」プロジェクトのひとつに位置づけた。
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