ブランドコンサルティング大手の米インターブランドは15日、グローバル企業のブランド価値を算出した2025年版のランキングを公表した。首位は13年連続で「アップル」。日本勢では「トヨタ」や「ユニクロ」など6ブランドがトップ100に入った。経営不振の「ニッサン」は前年から企業価値を33%下げたほか、「パナソニック」は2000年の調査開始から初めてランク外となった。
調査は海外の売上高比率が高い企業が対象。今後5年ほどで見込まれる利益などを基に、ブランドの影響力の大きさを金額に換算した。
アップルは首位は維持したが、ブランド価値は4709億ドル(約70兆円)と24年から4%減った。マイナスは2年連続。ゴーグル型機器「ビジョンプロ」の開発が停滞するなど新機軸の製品の方向性が見えにくい点や、生成AI(人工知能)の対応が他社より遅れている点が評価額に響いた。7位の「コカ・コーラ」(2%減、601億ドル)まで上位ブランドの顔ぶれは変わらなかった。
伸び率が最も高かったのは生成AI分野で存在感を高めた「エヌビディア」で、前年比2.2倍の432億ドルだった。「ユーチューブ」(61%増、484億ドル)や「ネットフリックス」(42%増、280億ドル)、「インスタグラム」(27%増、573億ドル)などSNSやメディア業界も軒並み順位を上げた。

日本勢のトップは全体6位のトヨタ(2%増、742億ドル)で、「ホンダ」(7%減、248億ドル)、「ソニー」(7%増、223億ドル)と続いた。海外販売比率の高まりで25年から調査対象に入ったユニクロは全体47位の177億ドルだった。「ニンテンドー」は新型ゲーム機の発売やファン層の拡大で35%増の154億ドルと伸長した。
自動車ではブランドで評価が分かれた。欧州で知名度を高めた「BYD」は90位の81億ドルと初めてランクインしたほか、ファッションなど車以外の領域でもブランド価値を高めた「フェラーリ」は154億ドルと17%増だった。「テスラ」(35%減、295億ドル)や「メルセデス・ベンツ」(15%減、501億ドル)、「ポルシェ」(14%減、150億ドル)は評価を下げた。

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