
スイスの金融大手クレディ・スイス・グループがソフトバンクグループ(SBG)を相手取った訴訟で、英国の高等法院(高裁)は15日、原告の請求を棄却した。2021年に起きた英金融会社グリーンシル・キャピタルの経営破綻をめぐり、クレディ・スイスは23年4月、SBGに4億4000万ドル(約670億円)の賠償を求めて提訴していた。
グリーンシルは企業間の売掛債権を流動化するサービスを手がけ、クレディ・スイスはその証券化商品に投資するファンドを運用していた。グリーンシルは21年3月に破綻し、クレディ・スイスは投資資金の回収を進めていた。
グリーンシルの融資先で破綻した米建設会社カテラと、傘下ファンドを通じて両社に出資していたSBGの関係や資金の流れを問題視しているとされる。23年にクレディ・スイスを破綻から救済したスイス金融大手UBSがこの訴訟を引き継いだ。
判決を受けてSBGは「当社は一貫して誠実に行動しており、本判決によって事実関係が正しく示された」とコメントした。UBSは「判決を精査し、今後の対応を検討している。すべての利害関係者の利益のために最大限の回復を図るため、あらゆる適切な措置を講じることに引き続き尽力する」としている。
【関連記事】
- ・クレディとソフトバンクG 蜜月から一転、法廷対決へ
- ・クレディ・スイスがSBG提訴 投資先破綻で600億円請求
- ・クレディ・スイスがソフトバンクG提訴へ 資金返済求め

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。