
福岡県直方市が、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策を強化している。多くの職員がカスハラを経験したことがあるとされ、予防や対応に関する要綱を制定。市議会9月定例会では、庁舎内の市民向け窓口などに防犯カメラを設置する費用約320万円を盛り込んだ補正予算案が可決。年度内の設置予定で、職場環境の整備をさらに進める。
今年1月に市が全職員を対象に実施した「カスハラアンケート」で、カスハラと思われる経験が「ある」との回答が45・2%となり、「ない」の39・4%を上回った。長時間の居座りや繰り返しの電話、差別的な言葉をかけられたことが挙げられている。また、1年以内にカスハラを受けた頻度について、「2~5回程度」が38・3%で最も多く、「11回以上」との回答も12・8%となった。
市はこうした現状を踏まえて、2月に職員が着用する名札の表記を氏名から名字のみに。4月にはカスハラに対する対応や相談窓口などをまとめた要綱、対応マニュアルを整備した。また、防犯カメラは、市民が多く利用する市民課や税務課などの窓口が撮影できるよう設置するという。
市人事課は「市民が多く訪れる市民課や税務課など各課の窓口を撮影できるように20台程度を設置する予定。カスハラから職員を守るための抑止効果に期待したい」としている。今後、庁舎内の各部署に設置されている電話機に録音機能や音声アナウンスを導入することも検討している。【岡村崇】
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