包括連携協定を結んだ佐賀県の山口祥義知事㊧とアイリスオーヤマの大山健太郎会長(16日、佐賀県庁)

アイリスオーヤマは16日、佐賀県と包括連携協定を結んだ。同社は1990年から佐賀県鳥栖市で工場を操業し、工場棟や製造ラインを拡充してきた。今後は鳥栖工場で製造する飲料水やパックご飯なども含めた災害時の迅速な物資供給のほか、県が進める海洋プラスチック問題対策でも協力する。

アイリスオーヤマの大山健太郎会長は県庁での締結式で「輸出拠点でもある佐賀県は当社にとって物流の重要拠点でもある。今回の協定を機に地域との連携をより一層深めていきたい」と語った。都道府県との包括連携協定は宮城県に次いで2例目。

山口祥義知事は事業継続計画(BCP)の観点でも佐賀県は優れた立地であることを強調。「アジアへの輸出においても大きな可能性を秘めている。様々な取り組みにおいて今回の協定を最大限に生かしていきたい」と応えた。

県は2026年6月に運営開始予定の「世界海洋プラスチックプランニングセンター」(唐津市)の建設を進めている。九州北部はアジア沖を通過した黒潮から分かれた対馬海流によって、海ごみが漂着・堆積しやすい「ホットスポット」になっている。新施設での展示やイベントを通して、海洋プラスチック問題への意識喚起とともに、回収・再生に向けた取り組みの活性化を目指している。

アイリスオーヤマは多くのプラスチック製品を製造・販売している。海洋プラスチックを原料としたオフィス家具などの商品開発についても佐賀県と協議を進めていく計画だ。

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